2017年12月24日日曜日

Carl Zeiss (ZEISS)の一眼レフ用のclassicシリーズの動向

コシナが製造してるCarl Zeiss銘のマニュアルフォーカスシリーズですが、最近はOtusの登場とMilvusシリーズの相次ぐ新製品投入が続いています。Otusは28 mm以来新作が出ていませんが、MilvusのほうはDistagon 1,4/35とDistagon 1,4/25が割と最近に発売・発表され、前者はclassicとは別の光学でOtusに匹敵する色収差補正が謳われ、後者は同社25 mmで初のF1.4です。

カールツァイス「Milvus 1.4/35」が国内発売 - デジカメ Watch
https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/1075886.html

「ZEISS Milvus 1.4/25」が海外発表 - デジカメ Watch
https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/1087104.html

これら新シリーズの影に隠れているのがclassicシリーズで、Planar 1,4/50とPlanar 1,4/85を除いてはいずれMilvusに置き換わっていってしまうのではないかと、Milvus最初の6本が出たときに思いました。というのもこの6本の中でDistagon 1,4/50とPlanar 1,4/85以外のDistagon 2,8/21, Distagon 2/35, Makro Planar 2/50, Makro Planar 2/100は基本的に同じ光学設計であるためです。コーティングは改善されて、さらにどうやらカバーガラスをセンサー直前にハイしているデジタルセンサーに最適化して微修正は加えられてるようですが、基本は同じなのでclassicを続ける理由が特になさそうです。

コシナ、カールツァイスと共同開発したレンズ「Milvus」 - デジカメ Watch
https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/720623.html

Carl Zeiss Milvusシリーズ - デジカメ Watch
https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/interview_dcm/730550.html

2017年12月18日月曜日

マルミMC-82Aによるレンズ黄変の補正

最近買ったSUPER-TAKUMARの105/2.4ですが、色がずいぶん黄色いので何かできないか考えてみました。

黄色くなるのは放射性物質(酸化トリウム)を含有したレンズが含まれており、放射線によってブラウニングが発生するためのようです。
http://uranglass.gooside.com/atomlense/atomlense.htm
http://xylocopal2.exblog.jp/4803677/

まず見てみたのはこのサイトでの方法で、マルミのMC-82Aを使って補正するというもの。
http://www.mars.dti.ne.jp/~cianmore/GALLERY/LABORATORY/labo-index.html

このMC-82Aはメーカーの説明によれば朝と夕方に色温度が低く赤みが強くなるのを補正するフィルターです。
http://www.marumi-filter.co.jp/product/11/film_02.php

67 mmのMC-82Aはヨドバシカメラで1,700円と大変にお買い得だったので、ものは試しということで買ってみました。
http://www.yodobashi.com/product/000000110186700870/

さて順番に見てフィルターの効果がどの程度か見ていきましょう。今回はフィルターの効果を見ることが目的なのでレンズはシフトしていません。

1, フィルターなし/AWB

これはフィルターなしでレンズ単体をAWBで撮影したものです。黄変しているのは確定しているので、WB固定にはせずAWBの補正能力がどのくらいあるのかチェックしてみました。ただしAWBの設定で「電球色を残す」という設定にしているので、AWBは本来より強力にレンズの黄変を補正できるのかもしれません。


2017年12月17日日曜日

smc PENTAX 67 45 mm F4 レビュー(遠方の描写のみ)

今回は魚眼を除いたペンタックス67レンズの中でもっとも広角側にあたる45 mm F4のピント特性を見ていきます。購入は昨年あたりで、在庫処分特価の39,800円(税込)を新品で購入しています。中古ではないので、製造時の許容誤差は多少含まれているかもしれませんが、概ね本来の性能をなく発揮していると思われます。

撮影の条件は別の投稿にまとめてあります。いつも通りD810Aにティルトシフトできるアダプタをつけて、17 mmのシフトをした上でピントを動かしてから絞りをF4.0、F5.6, F8.0それにF11で撮影し、またピントを少しずらして同様に複数の絞りで撮影することを繰り返しています。これらはRAWで記録してCpature One ProでレンズのY = 0で光軸付近、Y = 15 mm弱、Y = 25 mm程度それにY = 30 mmちょいに相当するエリアを、それぞれ900×600でトリミングしてタイル状に並べました。

ピント位置は像高によってほとんど変化せず、中央の描写は極めて良いのですが、像高に比例するように倍率色収差のようなものが大きく出ています。ただし単純に倍率色収差の補正をクリックして像がキレキレになるわけではありません。詳しく見ていきましょう。

1, Y = 0 mm付近

開放のF4.0と1段絞ったF5.6では上から4と5番目が良さそうで、4番目は僅かにオーバーインフな感じがして、5番目がベストのようです。
F8.0では被写界深度が増すので3~6番目が許容で4と5番目がピークに、F11だと3~7番目が許容でピークは3(または4か?)~6番あたりです。

(ASAHI PENTAX) SUPER-TAKUMAR 6X7 105mm F2.4 レビュー(遠方の描写のみ)その2

良い天気の日がちょうどあったので他のレンズのチェックのついでに、105/2.4を前回と同じ条件で追試です。

※2017年12月24日追記
当初像高の文字をhとしていましたが読者の方から像高は慣例としてYを試用する旨、提言いただきましたので変更しています。いつもありがとうございます。
http://www.cybernet.co.jp/optical/course/word/s20.html
http://www.lensya.co.jp/lensdata/yougo.html
※追記ここまで

※2018年3月24日追記
条件の詳細は別の投稿にまとめたため、書き出し一部を記事の一番下へ移動しています。
追記ここまで

結果は前回と同じで、周辺部に行くほどピントのピークそのものが手前に倒れています。検証はしていませんが偏芯ではないと思われます。中央でピントピークを出すと周辺部がほんの少し前ピンに、周辺部でピントピークを出すと中心部がやや後ピンに、それぞれなります。44x33 mmのセンサーで使用した場合に画面全体でまずまず満足いく描写を得ようとすると、どうやらF8.0では不足でF11まで絞り込む必要がありそうです。

1, レンズ中心付近(Y = 0 mm近傍)

もっとも左の列の絞り開放F2.4は、上から5番目か6番目あたりが良さそうで、分解能は5番目がやや有利で色収差の少なさは6番目に分があるようです。
左から3番目の列がF4.0ですが、ここだと5番目から7番目が良さそうで、総合的には6番目がピークな感じ。5番目は解像感はあるのですが色収差が目立ちます。
F5.6だと被写界深度が増して5番目から8番目が実用的な描写に見えます。F4.0でやや目立っていた5番目の色収差がさらに減っています。6番目と7番目が甲乙つけがたいかなり良好な描写です。
F8.0でさらに被写界深度が増すので5番目から9番目が、F11になると4番目から10番目がそれぞれ実用的な描写のようです。

2017年12月10日日曜日

今後の67レンズの試写の撮影方法

これまでD810Aにシフトアダプタ付けて、いずれもペンタックス67の55/4 (new)100/4マクロそれに初期型105/2.4の描写を見てきました。

いずれもちょっとした興味でテストした程度で、有意義な手法を真面目に考えていませんでした。しかしこの3つのレビューを基本に、今後のペンタックス67レンズの描写を見ていく方法を定めましたので、ここにまとめておきます。すでにこれまでの記事で個々に説明している部分もありますが、改めて条件設定の理由などを含めすべて説明しなおします。

一連のレンズは67用でボディはD810Aですが、当然ながらレンズの像そのものはD810Aのセンサーよりもさらに広い範囲に結ばれています。通常のアダプタではこの「外側の」領域を観察できません。ここで以前に紹介したシフト可能なアダプタを使用することで通常D810Aでは使わない領域まで描写を観察します。これによりレンズをシフトして使うに際の描写特性を推し量ると同時に、撮像素子が33×44 mmで像高27.5 mm程度まで写せる645Dにつけたときの描写を推察することも可能になります。

なお、ここで説明した方法で試写したレンズは2018年3月25日現在で次のレンズです。

2017年12月4日月曜日

(ASAHI PENTAX) SUPER-TAKUMAR 6X7 105mm F2.4 レビュー(遠方の描写のみ)

※2018年3月24日追記:
ほぼ同じ条件で追試したので、その2として別の投稿を追加しました
※追記ここまで

またレンズのテストというか検証みたいなことしていました。今回はペンタックス(←旭光学)の6X7のSuper-Multi-Coatedになる前のSUPER-TAKUMARな105mm F2.4です。酸化トリウムを含有していると言われており、レンズの色味はかなりの黄色寄りです。絞りはF2.4とF4.0の間に謎の値があるので、この謎の値とF4.0はシャッター速度を変えずにRAW現像時の露出補正でだいたいの明るさを揃えました。この謎の値以外はRAW現像時に露出補正をしておらず、露出が一部で実用上問題ない範囲でばらついています。

前回前々回に同じく、シフト17 mmかけた状態でD810Aに付けて、ピントを少しずらしては絞りを変化させて、またピントを少しずらして絞りを変化させて、を繰り返し撮影しています。またこれも前回までと同様に645Dで使用することを前提にしているため、像高0 mm付近、15 mm弱付近、25 mm弱付近と、おまけで30 mm強付近を掲載しています。
それぞれの縦方向がピントの移動で横方向が絞りの違いです。ピント移動は上の段が一番奥(∞)で下に行くにつれてピント位置が手前になり、絞りは左の列がF2.4でその右が謎の値(F3.4くらい?)と順番に絞られていきます。

645Dで使うことを念頭に置いた場合だと、像高27.5 mmまでなので25 mm弱までの結果を考慮する必要があります。このときF8.0で5番目のピント位置にした場合は中心が良いものの周辺がやや甘く、4番目のピント位置では周辺が良いものの中心がやや甘い状態です。理想はF11まで絞り込むことでしょう。
もちろん本来の67で使う場合はフイルムで、拡大率もここまで高くならないはずなので、ピント位置の追い込み方ももう少し寛容で良さそうです。

それでは詳しく見ていきます。

2017年12月3日日曜日

只見線の通常ダイヤの概要

只見線は本数こそそこまで多くありませんが、それでも六十里越を含めて全長は135 km程度もある長い路線です。また本数が多くないがゆえに、列車の来る時間を的確に覚えなければ現地での行動計画が立てづらくなります。

そこで今回は只見線の通常ダイヤの概要を、できるだけ覚えやすいように説明していきます。具体的には列車交換駅での時刻を基準にして全体像をつかみ、列車ごとの詳細な時刻は逆算する前提で説明します。

まず覚える際の区間の分け方は、バス代行の関係もありますが、従前から
  • 会津若松~会津川口
  • 会津川口~只見
  • 只見~小出
とすると覚えやすいダイヤになっています。なお逆算する際に必要となる、区間毎の所要時間は概ね以下の通りです。
  • 会津若松~会津坂下が40分(+七日町停車時間)
  • 会津坂下会津宮下が50分
  • 会津宮下会津川口が30分
  • 会津川口~只見が50分(バス)
  • 只見~大白川が30分
  • 大白川~小出が45分
それでは順番に見ていきましょう。時刻はすべて「おおよそ」です。

2017年11月26日日曜日

只見線の2018年(2017年度)冬ダイヤ(2018/1/9~3/31予定)

今年度も、2015年度以降の冬期間に代行バスを含む福島県側の只見線(会津若松↔会津川口↔只見)で雪害対策として実施されている、時刻変更の案内が発表されました。(仙台支社のプレスリリース一覧詳細PDF

最新の案内PDFと現在の時刻表からできる限り正確な情報を提供するよう努めていますが、見落としの恐れがあります。利用の前には必ずご自身で時刻の再検証を行ってください。本記事によって生じた不都合の一切についての責任は負いかねます。

概要

  1. 列車(会津若松↔会津川口)の所要時間の増加は15分程度で、代行バス(会津川口↔只見)の所要時間は変更なし
  2. 午前中から15時頃までのダイヤは通常ダイヤ±15分ほど
  3. 15時以降ダイヤは最大で通常ダイヤ+60分ほど
  4. 小出↔只見を含めた只見線内での列車・代行バスの接続は事実上影響なし
  5. 磐越西線との接続は最終上り列車が会津若松で郡山行に接続せず
以降それぞれについて詳しく見ていきます。

2017年9月17日日曜日

smc PENTAX 67 100mm F4 Macro レビュー(遠方の描写のみ)

前回はsmc PENTAX 67 55mm F4についてレビューを掲載しました。今回は同様の手法で別のレンズを見ていきます。実質「ピントどこまで追い込みますか?その5」です。

※2018年3月25日追記
別の日にテストし直しました。ピントの刻み方はこの記事の方が細かいですが、リンク先の方が他のレンズと比較しやすいです。
※追記ここまで

今回のレンズはsmc PENTAX 100mm F4 Macroで、これをシフト可能なアダプタを介してD810Aに付けています。前回同様にシフト17 mmの状態でF4, F5.6, F8, F11と撮り、これらの画面の右端(光軸中心付近)と画面の中間を2カ所、さらに画面の隅(像高約38.6 mm)の4カ所を切り出して比較しています。

各画像は900x600でドットバイドットのクロップを並べたものです。縦方向がピント位置の違いで、横方向が絞り値の違いです。上ほどピントが奥で下にいくにつれてピントが手前にずれ、また最も左側が開放のF4.0で最も右側がF11です。 最後の画面の隅は直接同じ距離の物体を比較できませんが、手前側がどのような描写になるか参考のために掲載します。

2017年9月11日月曜日

smc PENTAX 67 55mm F4 レビュー(遠方の描写のみ)

さて前回まで画面の中央のピント、中央のピント+F値変化、それに左右のピント+F値変化を見てきました。今回は周辺部の領域で、もう少し丁寧にピント+F値変化を見ていきます。実質「ピントどこまで追い込みますか?その4」ですが、同時に67 55/4のレビューになります。前回の左右のピント+F値変化では左右で差異がほとんどなかったので、今回は左右での特性に顕著な差異がないものと仮定して左側のみ見ていきます。左側を精査するにあたり、今回はシフト可能なアダプタを使うことで、像高Y=38.6 mm程度まで領域を拡大しています。この理由は2つあり、使用するボディが645Dまで含まれること、さらに撮影条件から画面の四隅に画面中央と同じ距離の物体を配することが困難であるためです。645Dのセンサーサイズは約33x44 mmなので知るべき最大の像高は約27.5 mmとなりますが、D810Aのセンサーサイズは約24x36 mmなので最大の像高は約21.6 mmです。さらに前回までの検証のように撮れば画面の四隅は空か地面なので、ピント検証は水平方向しか使えず、検証可能な最大の像高は18 mmとなります。この差を埋めるために、以前このブログで紹介したシフト可能なアダプタを使用しました。最大シフト17 mmなので、水平方向のみ検証に用いても光軸中心を含めて像高35 mmまで検証ができます。

本来はシフト0 mmで任意のピント位置に対してF4, F5.6, F8, F11さらにシフト17 mmでF4, F5.6, F8, F11を撮って、両者を組み合わせて提示すべきところです。しかし時間の制約からシフト0 mmは省略して、シフト17 mmした状態でF4, F5.6, F8, F11と撮り、これらの画面の右端(レンズは光軸中心付近)と画面の中間を2カ所、さらに画面の隅(像高約38.6 mm)の4カ所を切り出して比較しています。最後の画面の隅は直接同じ距離の物体を比較できませんが、手前側がどのような描写になるか参考のために掲載します。また前回までの検証画像とは、それぞれピント位置が少しずつ異なるので直接の比較ができません。ただし撮影時に必要となる精度を推し量るための素材としては十分な品質を提供できていると考えています。

※2018年3月25日追記
後日テストの条件を改めて同じ機材で追試を行いました
※追記ここまで

2017年9月10日日曜日

ピントどこまで追い込みますか?その3(絞りを変化させて中央と左右)

さて前回は中央だけ、ピントを変えて、絞りを変えてピークを見てみました。

今回は画面左右のピントを見てみます。子細に観察する場合は画像クリックでflickrに飛んで、オリジナルダウンロードしてください。はっきり分かります。

条件は前回と完全に同じで、smc PENTAX 55mm F4をD810Aにマウントアダプタの組み合わせで、切り出しの位置が違うだけです。

縦方向がピント位置の違いで、横方向が絞り値の違いです。上ほどピントが奥で、下にいくにつれてピントが手前にずれていきますが、無限遠が確実に出せるアダプタなので上の方は一見してわかるほどピントが奥になっています。また最も左側が開放のF4.0で、次がF5.6さらにF8.0が続いて最も右側がF11です。

ピントどこまで追い込みますか?その2(絞りを変化させて画面中央のみ)

前回の記事では開放のときの描写を出しましたが、今回はそれぞれのピント位置でさらに絞った場合にどうなるか見ていきます。子細に観察する場合は画像クリックでflickrに飛んで、オリジナルダウンロードしてください。

2017年9月9日土曜日

ピントどこまで追い込みますか?その1(絞り開放固定で画面中央のみ)

smc PENTAX 55mm F4を使ってちょっとした実験です。ついにニコンからも4000万画素オーバーが出ましたが、とくにMFレンズは満足のいくピント合わせが難しいです。そこでどのくらい難しいのか確かめてみました。やっぱり難しいです。

今回のボディはD810Aで、確実に無限を超えるアダプタを使い、フォーカスを無限遠側からちょっとずつ手前に持って行ったもの。この記事はすべてF4.0でRAWで撮って、さらにCapture One Proでほぼ中央をドットバイドットで900x600でクロップしたストレート現像です。

この記事で「最良とその前後合計5枚(ギリギリ許容?からさらに少し手前)」を撮影時にしっかり見極められるなら、レンズの持っているモノを余すことなく引き出す腕(眼?)があると言えるでしょう。この「最良」を一発で的中させるのは至難の業です。

画像クリックで900x600表示します。

完全にオーバーインフ

2017年8月29日火曜日

ST10000NM0016を買った

SeagateのEnterpriseラインの10 TBであるST10000NM0016をセールで489 CADだったので買いました('ω')✌ ちなみにセール終了後は499 CADになりました。いずれも外税で、税金はお店が州外だったので5%のGST(物品税)のみで、8%のPST(州税)はかかりません。州内のお店で買うと13%の税金を取られるので、差が結構大きいんですよね。

2017年7月22日土曜日

Surface Pro 3のアクセサリ

タブレット単体では入力もままならないので、何をどう構成するか検討しました。

1, タイプカバー
これは見送りました。理由はHHKBのBTをすでに持っていること、広げる手間がある、設置面積が増えるからです。

今回のSurface Pro 3を「いつでもどこでも持ち運んでヘビーにタイピングする端末」としては使うつもりがありません。ヘビーにタイピングするならあらかじめHHKBを持っていくか、別のゲーミングPCを使います。またケースはすでに買ってあって、保護フイルムも買っていたので液晶画面の保護という役割も果たしません。またキックスタンドを広げる手間があるのに、さらにタイプカバーを開くのはあまりスマートとは言えません。さらにSurface Pro 3を展開するときは原則としてタイプカバーの面積を確保する必要があり、かといって毎回タイプカバーを外すのもスマートではありません。以上から大枚はたいてタイプカバーを買うほどではないという結論に至りました。

2, Surface Dock
これは逆に必須オプションです。
社外品でUSBとminiDPを使うものや、あるいはUSBハブを買えばいいという考えもあるのですが、いかんせんポートが1つずつで、壊れたら修理しようがないタブレットPCです。家には外付けHDDが3つもありますし、外部モニタもあるので毎日のように抜き差しすることになり、本体のポートの耐久性がどの程度のものか疑問があります。そもそも本体の横からケーブル生えてるのもポートへの負担がきになるところです。

一方でSurface Dockをつなぐ端子はMagSafeのような磁石でひっつくタイプなので、不意のケーブル負荷に対して端子への負担がありません。Surface DockのUSBやminiDPの端子が壊れたらSurface Dockを買い換えればいいだけのことです。またSurafce Pro 3が壊れて多額の修理費が必要になった場合にSurface Pro 4としても、Surface Dockは引き続き使えます。さらに上下の向きを問わずに装着できるのも魅力的です。

以上からSurface Dockはほぼ迷わず導入しました。決済ですったもんだやってる間は本当に届くのか分からなかったので購入に踏み切らなかったのですが、これが災いしてAmazon.caで新品が$183.99 CADだったのを逃してしまい、新品を$219.99 CADで購入しています。新品が$219.99 CADになってから中古が$179 CADで出ていたのを逃したり、購入した直後に中古が$187 CADで出てきたりしましたが、保証のこともあるので新品で良かったということにしています。

3, マウス
どうするか迷いました。特にSurface Arc Mouseに関しては薄くて持ち運びが楽であり、また本体を曲げて使用状態にすると電源が入り、平らにすると電源が切れる仕様で、持ち運びには最適です。ただし値段が学生価格でも$89.99 CADでかなり高く、それならEM Wireless Trackballのほうが良さそうだったのでこれにしました。これもAmazon.caで買いましたが、価格は$105.97 CADで、買った後に$99.99 CADに値下げされましたがまた$105.97 CADに戻っています。EM Wireless Trackballにはeneloopを入れてBluetoothモードでSurface Pro 3と接続し、問題なく動作しています。北米仕様ですが技適マークも入っています。

4, 余談
Surface DockとEM Wireless Trackballを買った際に、スクリーンプロテクターとモバブのSurface用充電ケーブル、それにカメラ用のSDXCカードも合わせてAmazon.caから買っています。モバブからの充電ケーブルはちゃんとSurface Pro本体に磁石でひっつくタイプで(当然か?)使い勝手は良さそうです。

2017年7月2日日曜日

Surface Pro 3のリファービッシュ品を買ったよ

今カナダにいるのですが、先日発表→発売された新型Surfaceをマイクロソフトのオンラインショップで眺めていたときにふと見つけた物件がこちら

https://www.microsoft.com/en-ca/store/d/certified-refurbished-surface-pro-3/8rd3b8wzsvkx/H073

Certified refurbished Surface Pro 3(メーカー公認のリファービッシュ品)で、選択肢が$599 CADの64GB / Intel Core i3と、$949 CADの512GB / Intel Core i7で、最初に見たときは両方とも在庫がありました。i7のほうはサーマルスロットリングの問題が報告されていたものの、連続で大きな負荷をかけ続けたときにのみ発生すること、またCPUの負荷上限を電源オプションから設定してしまえばほぼ回避できると言うことだったので、ストレージの容量も勘案して 512GB / Intel Core i7のほうにしました。

Surface Pro 4で同価格帯というと一番下のCore m3モデル(Surface pen付属せず)か、少し高いですがCore i5のモデルになってしまい、いずれメモリが4 GBだしストレージは128 GBで小さし、でCPUの違いと言うよりはストレージとメモリの違いを見て型落ちSurface Pro 3の512GB / Intel Core i7モデルにした次第です。


このスペックなら何枚かのRAW画像を現像することくらい、サーマルスロットリングに影響されずにできるはずです。


購入には紆余曲折があって、結局は無事に届きましたが面白かったので記録しておきます。

2017年6月22日木曜日

Windows10の入ったSurface Pro 3で詳細な電源オプションに「次の時間が経過後ハードディスクの電源を切る」がない

先週からSurface Pro 3を、今日からSurface Dockを使っています。USB接続の外付けHDDがすぐにシャットダウンしてしまう問題が発生して、これはもしかして相性なのかと不安になりました。
(関連ページ)

しかしさらに検索するうちに、これはWindows 10の初期設定でHDDの電源が1分で切られるよう設定されているためとわかりました。
(関連ページ)

ところがSurface Pro 3では詳細な電源プランの設定ができないようになっており、レジストリをいじって設定が表示されるようにする必要がありました。
(関連ページ)
発熱防止の設定はいくつか見つかったのですが「次の時間が経過後ハードディスクの電源を切る」を表示させる方法は探しても見つからなかったので、総当たりしました。基本的には各項目のAttributsを1から2にすれば表示されるので、片っ端から試してみるまでです。

以下自己責任です。

Computer\HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Power\PowerSettings\

0012ee47-9041-4b5d-9b77-535fba8b1442
がハードディスクに関する項目で
6738e2c4-e8a5-4a42-b16a-e040e769756e
が「次の時間が経過後ハードディスクの電源を切る」です。
ここにはAttributesというキーが存在しませんが、先ほど列挙したリンクの一つであるSurface Pro 3の発熱抑制法を探る:「Turbo Boost無効化」と「クロック上限の設定」を試す(Surface Pro 4 / 3 ビジネス活用日記)の「手順2:クロック上限を設定する」と同じように新規DWORD値を作成し、名前をAttributesとし、値を2にすればOKです。

この後に電源オプションを開くと、見事に「次の時間が経過後ハードディスクの電源を切る」が表示され、値を変更することができるようになります。
 

Surface Pro 3のCore i7モデルで発生するサーマルスロットリング問題は
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Power\PowerSettings\54533251-82be-4824-96c1-47b60b740d00\bc5038f7-23e0-4960-96da-33abaf5935ec

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Power\PowerSettings\54533251-82be-4824-96c1-47b60b740d00\be337238-0d82-4146-a960-4f3749d470c7
で、それぞれAttributes(複数形だよ!)のDWORDを2に設定すればOKです。

2017年5月9日火曜日

センサーサイズと画角と焦点距離とF値のお話

同じレンズでも、ボディのセンサーサイズが変われば画角が変わることは広く知られていて、この画角の変化をわかりやすくするために「換算焦点距離」が指標として使われることがあります。このとき焦点距離は換算してF値はそのままということがあります。たとえば4/3のレンズにオリンパスのZD 300/2.8がありますが、これを35 mm判に換算したとき「600/2.8」と表現するものです。この表現の是非について検討します。被写界深度という観点から考えてみましょう。被写界深度はピントが合っているように見える範囲で、絞るほど被写界深度が深くなります。

被写界深度を決める値は焦点距離とF値と撮影距離、それに許容錯乱円です。短い焦点距離、大きなF値、遠い撮影距離と大きな許容錯乱円で被写界深度が大きく、深くなります。今回は撮影距離が一定の条件を検討します。また許容錯乱円の半径は同一人物が観測する同一の画像であれば、像の拡大率に比例するとします。

まず像の拡大率が一定の場合の被写界深度を検討します。撮影した画像をあるモニタでドットバイドット表示するとき、画素ピッチが一定ならば撮像素子上の像をモニター上で何倍に拡大するかが一定です。このためセンサーサイズにかかわらず許容錯乱円の半径が一定なので、被写界深度は変わらず、F値を換算する必要もありません。このことは次の実験で簡単に確かめられます。ある画像をドットバイドット表示してる状態でトリミングを行い、トリミングの前後で被写界深度を見てください。当然かもしれませんがドットバイドット表示したときは何の変化もありません。

次に像の拡大率が一定という条件の妥当性、言い換えると「像の拡大率がセンサーサイズにかかわらず一定である」という条件が妥当かどうかを、モニタ表示とプリント評価という2つの例で検討します。あるモニタ上で画像をドットバイドット表示する条件では、小サイズフォーマットほど像の拡大率が大きくなる傾向があります。これは小サイズフォーマットほど画素ピッチが小さいからです。2017年5月現在では、35 mm判が2000から5000万画素の一方でm4/3は1200万画素から2000万画素程度です。35 mm判よりもm4/3が面積あたりの画素が多く、画素ピッチは小さいです。このため、あるモニター上でドットバイドット表示したとき、小フォーマットほど像の拡大率が大きくなる傾向があります。プリントではどうでしょうか。像の拡大率が一定になるよう、35 mm判で撮ったものはA2に、m4/3で撮ったものはA4に、プリントする人は稀です。むしろセンサーサイズに関係なくA4に出力することがほとんどです。撮像素子の面積と印刷面積の比率を考えると、小サイズフォーマットほど大きく拡大されます。いずれも像の拡大率は一定ではありません。

それでは拡大率が可変になる条件の中で、最終的な出力サイズが同じときに被写界深度がどうなるか検討してみます。一例として35 mm判で200 mmのF4.0で撮ったとき画角と被写界深度を、m4/3で得るにはどうすれば良いか考えてみます(計算サイト)。まず画角を揃えると、m4/3で使うレンズの焦点距離が100 mmになります。ここでF4.0のままだと焦点距離が半分になったため被写界深度も深くなり、計算すると4倍になります。ただし出力が同じ大きさで、35 mm判の拡大率に対してm4/3の拡大率は2倍なので、35 mm判の許容錯乱円の半径に対してm4/3の許容錯乱円の半径が半分になります。このため35 mm判で200/4.0の被写界深度に対してm4/3の100/4.0の被写界深度は、4倍の半分で2倍に相当します。この2倍になっている被写界深度を揃えようとすると、F値を小さくしなければなりません。具体的にはF4.0を拡大率の比率である2で割ってF2.0になります。センサーサイズが変わったときに画角も被写界深度も変えたくない場合は、焦点距離もF値も同時に変えなければなりません。35 mm判で200/4に相当する画角と被写界深度をm4/3で得たければ(100/4.0ではなく)100/2.0が必要です。以上のことから、画角の変化を換算焦点距離で表す場合はF値も換算して表記するほうがより現実に即していると考えられます。

F値の換算は一つずつ手順を踏めば求められますが、もっと簡単に求める方法があります。まずレンズの焦点距離、口径そして口径比を考えます。焦点距離が200 mmで、口径比であるF値が4.0ならば口径は50 mmです。この200/4が35 mm判だったとき、m4/3で同じ画角にしたければ必要となる焦点距離が100 mmになります。 ここで被写界深度も同じにしたければ口径をそのままに口径比を求めます。具体的には焦点距離が100 mmで口径が50 mmだから口径比はF2.0です。

本来は焦点距離も口径も物理量であり、すなわちこの比率から計算される口径比もセンサーサイズにかかわらず一定のものです。200 mmのF4.0は100 mmのF2.0とは別のものです。ただどうしても簡便のため焦点距離を換算したいということであれば、同時にF値も換算するべきです。冒頭の、4/3で300/2.8のレンズを35 mm判相当で表現したければ「換算すると600/5.6」とするのが適切と言えるでしょう。

このあたりの話、センサーの感度とかも含めて英語でよくまとめられているページがありました。

2017年5月3日水曜日

写真の表題とコメント

写真になぜ表題とコメントをつけるか、という話です。

写真はそこにある一枚がすべて。それなのになんで表題を付けるんだろうという単純な疑問です。写真を使って「これが只見線ですよ」っていう宣伝をするには、表題とか説明を付けるほうが好都合です。でもこれは宣伝の一環としての写真です。 写真そのものの善し悪しは、文字情報に頼らずに評価したいし、評価されたいです。

写真そのものがメッセージを持ち、それが評価されることは大事ですが、その一方で良い表題とコメントは観衆を写真の世界へうまく導きます。これは特に観衆が被写体に馴染みがない場合に重要です。たとえば只見川第一橋梁の春夏秋冬を4枚組で出すとします。そこで「只見川第一橋梁で撮るまでは、同じ場所の撮影は1回だけにするって決めてたけど、季節によって表情を変える自然と、人間の営みの一部である鉄道の組み合わせに魅せられた」と言うことで、只見線の写真や只見川第一橋梁の写真を見たことがない人も、この組写真の楽しみ方がわかります。

コメントは見てる人と写真そのものの間にギャップがある場合に、これを埋めるように添えられているべきものだと考えています。写真が主体である展示会や写真集では、コメントは写真そのものより大きな声で主張すべきではありません。 コメントでは技術不足により写真で表現しきれなかった撮影者の気持ちを述べてはいけません。またコメントで写真の解釈を強いてはいけません。只見川第一橋梁をよく知る人がコメントを読まずに組写真を見て楽しんでいるときに、ふとコメントを見ることでその楽しみを削いではいけません。只見川第一橋梁の春夏秋冬では「季節によって表情を変える」とだけ書くことで、具体的にどう表情を変えるのか、また表情の違いは何か、これらの詳細は見る側に観察させるべきです。あまり具体的に、そして詳細に写真のことを説明しすぎると、見る側の特権である解釈の領域を狭めてしまいます。

表題やコメントは、見る側が作品を楽しむに際して必要なものです。ただしその内容は最低限の背景と情報を提供し、作品の良さを最大限引き出すように書けば良さそうです。

2017年4月17日月曜日

Super GTで起きたNSXのトラブルは何が原因か

Super GTは2クラス混合で、特にGT300クラスは多彩な車種がサーキットで暴れ回ることから、前身のJGTCからかれこれ15年程度は見ています。

今年の第一戦は例年通り岡山でしたが、予選~決勝でNSXが続々リタイヤするという珍しいトラブルに見舞われました。

NSX5台全車に起きたまさかのトラブル。「これまで壊れたことがない部品」とホンダGT佐伯リーダー

【SUPER GT・画像11枚】ホンダNSX-GTにトラブル多発「3年以上トラブルのないパーツに問題発生・・・想定外」 - TopNews

【スーパーGT】ホンダの悪夢。佐伯PL「3年問題なかった部品が…」

原因は「電装系」とし、それ以上の詳細は示されていないのですが、不思議なのは「これまで3年に亘って問題なく動作していたパーツが原因」であること。これは「今年変わった何か」それも「スロットル」あるいは「燃料系」に関係しているように思います。

そこですごく気になったのが今年から投入された新エンジン
ホンダ、2017年に向けて新エンジン『HR-417E』を投入。スーパーGTでも活用へ

安直な考えですが「今までちゃんと動いていた」のであれば、パーツそのものが問題を抱えてるとは思いません。ここで症状(スロットルに反応しない)と「このパーツが協調していた部品」を照らし合わせたとき、エンジンとの相性が原因なのではないかと思います。それもおおよそ300 kmほど走ったときにエンジンそのものまたは制御に不具合を生じてしまう可能性が考えられます。

ただしベンチテストは“新エンジンと組み合わせた状態でも”十分に行ってきたということですし、この「組み合わせに起因する問題」については初期の段階で十分に検討されつくされてるでしょうから、これが原因ではないでしょう。“ロットの問題”ということは十分に考えられ、たとえば半田付けが不完全なために振動に繰り返し晒されることで接触不良を生じることは起こりえます。

普段はモータースポーツのことほとんど書かないのですが、気になったのでまとめました。

2017年4月14日金曜日

67レンズの簡単な印象

645DとかD810Aで使ってみて、特に良いと感じたレンズについてその理由を含めて列挙します。ただレンズは1本ずつちょっとずつ性能が違うとかアダプタが云々とか、いろいろありますし、そもそも評価基準が人によってまちまちなので「あくまで参考」です。

1, 55/4 (new)
最終の55/4です。周辺部は少し倍率色収差が目立ちますが、それでもちゃんと結像してます。67全面だと周辺光量落ちが目立ちます。F8.0まで絞れば最周辺部でも

2, 90/2.8
LSじゃないほうの90/2.8です。本来は67レンズにもかかわらず、やや小さめのセンサーのデジタルボディでも無難に写ります。

3, 165/2.8
画像の鮮鋭度は135フルフレームに特化した最新のレンズに劣るかもしれませんが、絞り開放でも絞っても画面全域でよく写ります。

4, 200/4 (new)
新しい方の200/4です。周辺部まで安定した描写で、大きさと開放F値さえ気にならなければ、かなり実用的。

5, M* 300/4
絞り開放だとほんの少し甘く見えますが十分よい描写と言えます。F6.7まで絞れば135フルフレーム向けにデザインされたレンズに劣らぬ描写です。ボケにすら色が付かないのはとっても優秀。

6, M* 400/4
300に比べるとこっちは開放から性能変化がさらに少ないような気がします。ボケに少しだけ色が付きますが、ピント面では問題ありません。

その他:45/4は周辺部における像の鮮鋭度の低下が55/4より大きいです。75/4.5は像面湾曲があって気を遣い、75/2.8は周辺の像のバランスが悪いような気がします。100/4マクロは周辺部で倍率色収差がいくらか見られます。105/2.4は75/4.5のような像面湾曲があります。120/3.5はソフトとは言え、F5.6くらいまで絞らないと使いづらいです。135/4はF8.0までやや甘い感じがしました。

2017年2月11日土曜日

67 75/2.8は75/4.5より性能が良いのか

良いって言われてるF2.8のほうの67シリーズ75 mmですが、手持ちのレンズで比較すると、なんとなくF4.5のほうが良いような気がします。

http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/f583220f528e3597fb3783c4d190b6f0
http://www.antiquecameras.net/pentax6x7lenses.html

F4.5のほうは像面湾曲があって、ピントが∞だと画面の中心でピークになるとき周辺部のピントが手前にズレるのでほんの少し奥に合わせないとレンズの良さが発揮されません。F2.8は像面湾曲はともかく、開放で周辺部にフレアみたいなものが見られます。F8.0くらいまで絞れば(当然ながら?)解消するようですが、それだったらF4.5で良いじゃんってことになるし。

もしかしたら持ってるF2.8がハズレかもしれません。

2017年2月8日水曜日

ソニーがEマウントのSTFを発表

前々からEマウントのSTFが噂にはなっていましたが、ようやく発表されました。4月に発売とのことです。STFレンズは以前(ミノルタ時代)からAマウントの135 mm F2.8 (T4.5)があり、他社の135にはない独自のボケを生み出す特別な存在です。今回Eマウントに100/2.8(T5.6)が加わり、ソニーのレンズラインナップをまた一段と魅力的なものにしています。

STFレンズが持つ個性的なボケ味には、アポダイゼーション(APD)フィルターの貢献が大きいのは明らかです。富士フイルムからはAPDフィルターを挟んだレンズが登場しており、サードパーティーですが既存のレンズに組み込むBBLシリーズの改造も存在して、ソニー以外でも輪郭がなめらかな描写を楽しめます。しかしSTFレンズのボケ味を完璧たらしめるものはAPDフィルターだけではありません。マスターレンズの周辺光量の豊富さこそがSTF 135を他を追随させない「完璧なボケ」を実現してると考えられます。PhotoZoneのレビューGANREFに載ってるDxO Analyzerの結果によれば周辺光量はかなり豊富ですが、これはAPDフィルター込みでの計測なので、マスターレンズの周辺光量は未知数です。しかしフィルター径がレンズの口径を決めるような望遠系で、135/2.0にも対応できる72 mmでしかも前玉がちゃんと大きいのにF2.8としているあたり、もしAPDフィルターを外しても周辺光量が多そうだと期待できます。

周辺光量が重要と考える理由ですが、まずAPDフィルターの存在の有無にかかわらず、一般のレンズでは絞り開放で周辺光量落ちが発生します。これは写真の持つ表情の一つで、映像効果として上手に活用するととても効果的なのですが、この原因にレンズの口径蝕が挙げられます。他にも考えられる理由はありそうですが、これまで見てきたレンズでは絞り開放における周辺光量落ちと口径蝕には強い関連がありそうでした。この口径蝕が発生すると点光源をボケとして写したときに、画面の中心部では綺麗な円なのに周辺部ではラグビーボールやレモンに形容されるような形状となってしまいます。APDフィルターは口径蝕を目立たなくすることはできるかもしれません。これは口径蝕は絞りを絞ると消えますが、APDフィルターは周辺部が暗くなっているのであたかも絞りを絞っているような効果がえられるからです。しかしこの周辺部の光を完全に遮断しているわけではなく、あくまで中心と比較すると相対的に低い透過率にしています。このためおそらく完全に口径蝕をなくすことはできません。マスターレンズの口径蝕が大きいと、絞りを開放では四隅だけボケの形状が崩れてしまいかねません。そうするとせっかくの綺麗なボケが四隅だけいびつになるというとても悲惨なことになってしまいます。このような状況ではAPDフィルター込みでも四隅だけ目立つ周辺減光を発生してしまうと考えられるので、絞り開放でも周辺光量落ちがほとんどないという計測結果(PhotoZoneGANREF)は周辺部においてもSTF特有の描写が維持されるということを示しているように思います。言い換えると中心も周辺も均一なボケを得られるはずで、実際のレンズの評価もこの考えを裏付けています。

以上からソニーのSTFレンズにおいてAPDフィルターの存在はとても重要であるが、マスターレンズの周辺光量が豊富であることも同様に重要な要素であるようです。ポン付けのBBLには135フルサイズ機で使用する場合、周辺部で描写が乱れることが記載されていて、原則はAPS-C向けとしています。このあたり特に135フルサイズで使う場合には「純正STF」に強みがあるようです。EマウントのSTFは100/2.8でフィルター径が72 mmというこれまた過剰とも思えるサイズなので、かなり期待できそうです。発売されればいろんな例が上がってくるでしょうから、今から楽しみです。

2017年2月6日月曜日

ペンタックスKPの大きさ

ちょっと話題になっているので、 比べてみることにしました。
まずキヤノンから、EOS Kiss X7がエントリーです。サイズはWxHxD = 116.8 × 90.7 × 69.4 mmで質量が407 gほど。これは小さくて軽いです。

次にニコンからは最軽量なD3400です。サイズはWxHxD = 124 × 98 × 75.5 mmで、質量が445 gほどD5600のほうは、D3400より20 gだけ重いのですがほんの少し小型で、サイズはWxHxD = 124 × 97 × 70 mmで、質量が465 gです。

さてペンタックスのKPですが、サイズはWxHxD = 131.5 × 101.0 × 76.0 mmで、質量は703 gとなり、ダントツで重いです。過去のモデルに比べれば小さいのでしょうけれど、それでもライバル他社よりは大きいようです。


重さについては、ある程度重い方が質感があるように感じられるという側面もあり、また重いレンズを付けたときのバランスを考えると軽ければ良いというものではないです。ただしペンタックスのDAレンズには小型(薄型)で軽量なレンズが多数あるので、軽いボディがあればそれはそれで売れるような気がします。ただ先に述べた比較で明確な通り、KPはそこまで軽いボディとは言えません。


2017年1月28日土曜日

中判デジタル

ふと中判デジタルに関連する記事を読んで、同意する点が多く、何となく書きたくなってしまいました。GFX 50sが出る直前だし、ちょうどハッセルのX1Dも出荷されてるって話題になってたし。

2017年1月22日日曜日

ペンタックス67レンズをティルトシフト可能なレンズとしてD810Aで使う

・ティルトシフトレンズとは
簡単に言うと光軸をあえてずらして、ピント面のコントロールするのがティルトで、イメージサークルの中心部でなく周辺部を使って遠近感などをコントロールするのがシフトです。
概略はケンコープロフェッショナルイメージングのホースマンのページに掲載されています。

ティルトはピント面が光軸に直交するということを逆手に取り、光軸をフイルム面(センサー面)と直交させないようにします。これによりピント面とカメラのフイルム面(センサー面)の並行関係を崩します。フイルム面(センサー面)と被写体の配置、それに傾ける向きの方向の関係によって、ピントが合う範囲は通常(ティルトなし)に比べて深くなる場合と逆に浅くなる場合があります。深度を深くする例はアクセサリーなどの撮影です。絞りを絞り込むことでも被写界深度を深くできますが、レンズによって最大絞り値が決まっていて(F22やF32など)、これがしばしば不十分であること、また絞り込みすぎると回折が発生(2017年現在に発売されているレンズ交換式のデジタルカメラだと、概ねF11からF16まで絞るとドットバイドット表示において明確なシャープネス低下が見られる)してしまうことから、ティルトは有効です。また深度を浅くする例はミニチュア撮影を光学的に行う場合で、大口径レンズではボケが得られない平面の被写体においてもピント面をその平面から傾けることで被写体の一部にしかピントが合わないような画像が得られます。