2017年12月24日日曜日

Carl Zeiss (ZEISS)の一眼レフ用のclassicシリーズの動向

コシナが製造してるCarl Zeiss銘のマニュアルフォーカスシリーズですが、最近はOtusの登場とMilvusシリーズの相次ぐ新製品投入が続いています。Otusは28 mm以来新作が出ていませんが、MilvusのほうはDistagon 1,4/35とDistagon 1,4/25が割と最近に発売・発表され、前者はclassicとは別の光学でOtusに匹敵する色収差補正が謳われ、後者は同社25 mmで初のF1.4です。

カールツァイス「Milvus 1.4/35」が国内発売 - デジカメ Watch
https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/1075886.html

「ZEISS Milvus 1.4/25」が海外発表 - デジカメ Watch
https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/1087104.html

これら新シリーズの影に隠れているのがclassicシリーズで、Planar 1,4/50とPlanar 1,4/85を除いてはいずれMilvusに置き換わっていってしまうのではないかと、Milvus最初の6本が出たときに思いました。というのもこの6本の中でDistagon 1,4/50とPlanar 1,4/85以外のDistagon 2,8/21, Distagon 2/35, Makro Planar 2/50, Makro Planar 2/100は基本的に同じ光学設計であるためです。コーティングは改善されて、さらにどうやらカバーガラスをセンサー直前にハイしているデジタルセンサーに最適化して微修正は加えられてるようですが、基本は同じなのでclassicを続ける理由が特になさそうです。

コシナ、カールツァイスと共同開発したレンズ「Milvus」 - デジカメ Watch
https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/720623.html

Carl Zeiss Milvusシリーズ - デジカメ Watch
https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/interview_dcm/730550.html

2017年12月18日月曜日

マルミMC-82Aによるレンズ黄変の補正

最近買ったSUPER-TAKUMARの105/2.4ですが、色がずいぶん黄色いので何かできないか考えてみました。

黄色くなるのは放射性物質(酸化トリウム)を含有したレンズが含まれており、放射線によってブラウニングが発生するためのようです。
http://uranglass.gooside.com/atomlense/atomlense.htm
http://xylocopal2.exblog.jp/4803677/

まず見てみたのはこのサイトでの方法で、マルミのMC-82Aを使って補正するというもの。
http://www.mars.dti.ne.jp/~cianmore/GALLERY/LABORATORY/labo-index.html

このMC-82Aはメーカーの説明によれば朝と夕方に色温度が低く赤みが強くなるのを補正するフィルターです。
http://www.marumi-filter.co.jp/product/11/film_02.php

67 mmのMC-82Aはヨドバシカメラで1,700円と大変にお買い得だったので、ものは試しということで買ってみました。
http://www.yodobashi.com/product/000000110186700870/

さて順番に見てフィルターの効果がどの程度か見ていきましょう。今回はフィルターの効果を見ることが目的なのでレンズはシフトしていません。

1, フィルターなし/AWB

これはフィルターなしでレンズ単体をAWBで撮影したものです。黄変しているのは確定しているので、WB固定にはせずAWBの補正能力がどのくらいあるのかチェックしてみました。ただしAWBの設定で「電球色を残す」という設定にしているので、AWBは本来より強力にレンズの黄変を補正できるのかもしれません。


2017年12月17日日曜日

smc PENTAX 67 45 mm F4 レビュー(遠方の描写のみ)

今回は魚眼を除いたペンタックス67レンズの中でもっとも広角側にあたる45 mm F4のピント特性を見ていきます。購入は昨年あたりで、在庫処分特価の39,800円(税込)を新品で購入しています。中古ではないので、製造時の許容誤差は多少含まれているかもしれませんが、概ね本来の性能をなく発揮していると思われます。

撮影の条件は別の投稿にまとめてあります。いつも通りD810Aにティルトシフトできるアダプタをつけて、17 mmのシフトをした上でピントを動かしてから絞りをF4.0、F5.6, F8.0それにF11で撮影し、またピントを少しずらして同様に複数の絞りで撮影することを繰り返しています。これらはRAWで記録してCpature One ProでレンズのY = 0で光軸付近、Y = 15 mm弱、Y = 25 mm程度それにY = 30 mmちょいに相当するエリアを、それぞれ900×600でトリミングしてタイル状に並べました。

ピント位置は像高によってほとんど変化せず、中央の描写は極めて良いのですが、像高に比例するように倍率色収差のようなものが大きく出ています。ただし単純に倍率色収差の補正をクリックして像がキレキレになるわけではありません。詳しく見ていきましょう。

1, Y = 0 mm付近

開放のF4.0と1段絞ったF5.6では上から4と5番目が良さそうで、4番目は僅かにオーバーインフな感じがして、5番目がベストのようです。
F8.0では被写界深度が増すので3~6番目が許容で4と5番目がピークに、F11だと3~7番目が許容でピークは3(または4か?)~6番あたりです。

(ASAHI PENTAX) SUPER-TAKUMAR 6X7 105mm F2.4 レビュー(遠方の描写のみ)その2

良い天気の日がちょうどあったので他のレンズのチェックのついでに、105/2.4を前回と同じ条件で追試です。

※2017年12月24日追記
当初像高の文字をhとしていましたが読者の方から像高は慣例としてYを試用する旨、提言いただきましたので変更しています。いつもありがとうございます。
http://www.cybernet.co.jp/optical/course/word/s20.html
http://www.lensya.co.jp/lensdata/yougo.html
※追記ここまで

※2018年3月24日追記
条件の詳細は別の投稿にまとめたため、書き出し一部を記事の一番下へ移動しています。
追記ここまで

結果は前回と同じで、周辺部に行くほどピントのピークそのものが手前に倒れています。検証はしていませんが偏芯ではないと思われます。中央でピントピークを出すと周辺部がほんの少し前ピンに、周辺部でピントピークを出すと中心部がやや後ピンに、それぞれなります。44x33 mmのセンサーで使用した場合に画面全体でまずまず満足いく描写を得ようとすると、どうやらF8.0では不足でF11まで絞り込む必要がありそうです。

1, レンズ中心付近(Y = 0 mm近傍)

もっとも左の列の絞り開放F2.4は、上から5番目か6番目あたりが良さそうで、分解能は5番目がやや有利で色収差の少なさは6番目に分があるようです。
左から3番目の列がF4.0ですが、ここだと5番目から7番目が良さそうで、総合的には6番目がピークな感じ。5番目は解像感はあるのですが色収差が目立ちます。
F5.6だと被写界深度が増して5番目から8番目が実用的な描写に見えます。F4.0でやや目立っていた5番目の色収差がさらに減っています。6番目と7番目が甲乙つけがたいかなり良好な描写です。
F8.0でさらに被写界深度が増すので5番目から9番目が、F11になると4番目から10番目がそれぞれ実用的な描写のようです。

2017年12月10日日曜日

今後の67レンズの試写の撮影方法

これまでD810Aにシフトアダプタ付けて、いずれもペンタックス67の55/4 (new)100/4マクロそれに初期型105/2.4の描写を見てきました。

いずれもちょっとした興味でテストした程度で、有意義な手法を真面目に考えていませんでした。しかしこの3つのレビューを基本に、今後のペンタックス67レンズの描写を見ていく方法を定めましたので、ここにまとめておきます。すでにこれまでの記事で個々に説明している部分もありますが、改めて条件設定の理由などを含めすべて説明しなおします。

一連のレンズは67用でボディはD810Aですが、当然ながらレンズの像そのものはD810Aのセンサーよりもさらに広い範囲に結ばれています。通常のアダプタではこの「外側の」領域を観察できません。ここで以前に紹介したシフト可能なアダプタを使用することで通常D810Aでは使わない領域まで描写を観察します。これによりレンズをシフトして使うに際の描写特性を推し量ると同時に、撮像素子が33×44 mmで像高27.5 mm程度まで写せる645Dにつけたときの描写を推察することも可能になります。

なお、ここで説明した方法で試写したレンズは2018年3月25日現在で次のレンズです。

2017年12月4日月曜日

(ASAHI PENTAX) SUPER-TAKUMAR 6X7 105mm F2.4 レビュー(遠方の描写のみ)

※2018年3月24日追記:
ほぼ同じ条件で追試したので、その2として別の投稿を追加しました
※追記ここまで

またレンズのテストというか検証みたいなことしていました。今回はペンタックス(←旭光学)の6X7のSuper-Multi-Coatedになる前のSUPER-TAKUMARな105mm F2.4です。酸化トリウムを含有していると言われており、レンズの色味はかなりの黄色寄りです。絞りはF2.4とF4.0の間に謎の値があるので、この謎の値とF4.0はシャッター速度を変えずにRAW現像時の露出補正でだいたいの明るさを揃えました。この謎の値以外はRAW現像時に露出補正をしておらず、露出が一部で実用上問題ない範囲でばらついています。

前回前々回に同じく、シフト17 mmかけた状態でD810Aに付けて、ピントを少しずらしては絞りを変化させて、またピントを少しずらして絞りを変化させて、を繰り返し撮影しています。またこれも前回までと同様に645Dで使用することを前提にしているため、像高0 mm付近、15 mm弱付近、25 mm弱付近と、おまけで30 mm強付近を掲載しています。
それぞれの縦方向がピントの移動で横方向が絞りの違いです。ピント移動は上の段が一番奥(∞)で下に行くにつれてピント位置が手前になり、絞りは左の列がF2.4でその右が謎の値(F3.4くらい?)と順番に絞られていきます。

645Dで使うことを念頭に置いた場合だと、像高27.5 mmまでなので25 mm弱までの結果を考慮する必要があります。このときF8.0で5番目のピント位置にした場合は中心が良いものの周辺がやや甘く、4番目のピント位置では周辺が良いものの中心がやや甘い状態です。理想はF11まで絞り込むことでしょう。
もちろん本来の67で使う場合はフイルムで、拡大率もここまで高くならないはずなので、ピント位置の追い込み方ももう少し寛容で良さそうです。

それでは詳しく見ていきます。

2017年12月3日日曜日

只見線の通常ダイヤの概要

只見線は本数こそそこまで多くありませんが、それでも六十里越を含めて全長は135 km程度もある長い路線です。また本数が多くないがゆえに、列車の来る時間を的確に覚えなければ現地での行動計画が立てづらくなります。

そこで今回は只見線の通常ダイヤの概要を、できるだけ覚えやすいように説明していきます。具体的には列車交換駅での時刻を基準にして全体像をつかみ、列車ごとの詳細な時刻は逆算する前提で説明します。

まず覚える際の区間の分け方は、バス代行の関係もありますが、従前から
  • 会津若松~会津川口
  • 会津川口~只見
  • 只見~小出
とすると覚えやすいダイヤになっています。なお逆算する際に必要となる、区間毎の所要時間は概ね以下の通りです。
  • 会津若松~会津坂下が40分(+七日町停車時間)
  • 会津坂下会津宮下が50分
  • 会津宮下会津川口が30分
  • 会津川口~只見が50分(バス)
  • 只見~大白川が30分
  • 大白川~小出が45分
それでは順番に見ていきましょう。時刻はすべて「おおよそ」です。