2015年2月12日木曜日

PB-4とベローズ用ニッコール105

ニコンで最も著名と思われるベローズPB-4にベローズ専用のニッコール105(ヘリコイドがない)を装着した姿、とてもしびれます。このレンズ、ベローズなしでは“無限遠よりさらに遠い場所”にピントが合っている状態なので使えません。


上の画像の面にある大きな3つのつまみでピントと倍率を調整できます。

 

こちら側のつまみは固定用のネジで、右下のはスライドコピアPS-4の固定用です。


PB-4の操作はもちろんすべて手動で、
  • 上の写真の側の丸いつまみで、倍率とピント(逆サイドおむすび型は固定用)
  • レンズ真下のレバーを緩める(真上からみて反時計回りに回す)とシフト調整
  • そのさらに下のレバーを緩める(真上からみて反時計回りに回す)とチルト調整
  • カメラマウント側の銀のつまみを引くとレボルビングロック解除(縦位置に対応)
です。D800などは縦位置にレボルビングした状態でないと、グリップが干渉してしまうので装着できません。レボルビングはカメラ非装着時だとやや硬いので、落ち着いて操作してください。


これがチルトで、ピント面をコントロール


こちらがシフトで、写る範囲をオフセット


ミニチュア撮影するなら、通常位置からレボルビングして縦長の構図にすればいいのですが、横長構図でレンズを上下方向に首振りさせたければL字プレートを挟む手があります。


取り付けるとこんな感じですが、L字プレートに負担がかかるので慎重に扱いましょう


恐ろしくゴツい機材で機動力は皆無ですが、おもしろい1枚が撮れます。

コシナの新製品(フォクトレンダー)

・フォトキナ2014での展示状況について
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20140918_667422.html
 (HELIAR 40mm F2.8は発売済み)

これらレンズの登場が待ち遠しいわけですが、CP+に向けて発表されたのはSWH15 (III)のみでした。

http://www.cosina.co.jp/seihin/voigt/v-lens/vm/15vm3/index-.html

一方でフォトキナ2014でのインタビューの動画を発見!!
インタビュー動画では「近いうちに」ということですので、順次発売されていくことでしょう。いずれもフォトキナで「お披露目」だった沈胴の40/2.8は10月に発売され、今回がSWH15(3月発売予定)ですから、他の2本も順次出てくるかと思います。


NOKTON 10.5mm F0.95「m4/3のF0.95シリーズ25, 17.5, 42.5に続く第4弾(*)!」
https://www.youtube.com/watch?v=HDz2fZ9ceeU
(* 25/0.95はクリックストップなしのバージョンが存在するので厳密には5番目のレンズ)

ULTRON 35mm F1.7「ビンテージシリーズ、第2弾!」
SUPER WIDE HELIAR 15mm F4.5 (III)「」
https://www.youtube.com/watch?v=l38D1Gv4Wb8

・ビンテージシリーズ
中身はLマウントで出てた同仕様のレンズと同一ではないかと予想。モダンな設計ながら外観は素材から拘ったクラシカルなデザインを採用。シルバーは真鍮にクロムメッキ、ブラックはアルミ材料にアルマイト処理。第一弾は50/1.5が発売済み。

一眼レフ用のSL II Nシリーズなんか、特に銘打ってないけど半ばビンテージシリーズみたいなデザインに思います。ピントリングの金属ローレット加工や配色(ft表記が黄色)からはAuto Nikkorの香りがプンプンします。

・ヘリコイドラッピング「手作業で加工することで最高の操作性を追求」
http://www.cosina.co.jp/kodawari/010.html
最高の性能(光学性能だけでなく、撮影者の操作性)を求めた結果、21世紀のこの時代でも手作業の部分が数多く残っているコシナのレンズ。「昔は良かった」なんて言わせない、今でもホンモノを作り続ける稀有な会社です。

デジカメが普及して1枚を撮ることが簡単になった今だからこそ、1枚をしっかり撮りたい。手間がかかるだけじゃないかと思うかもしれませんが、そこはご心配なく。光学性能で負けることはありません。しかも1枚を撮ることが楽しくなってくる、オトナの趣味です。

・15/4.5「小型軽量高画質な超広角がデジタル対応」
それは1999年のこと。覚えていない、そもそも知らないという人もいるかもしれません。コシナがフォクトレンダーブランドの製品を出した年です。Bessa Lという強烈な個性を持つボディに15/4.5とファインダー、今思い返しても尖った製品でした。当時はフイルム全盛の頃、一眼レフの20 mm以下は絶望的にデカい。ならばこの値段で距離計もファインダーもないボディ+15 mm+外付けファインダー(レンズに同梱)で太刀打ちしよう、そんなコンセプトでした。

このいわば伝説的レンズはVMマウントに変更(光学設計はそのままなのですが、どうやらコーティングは変更?)されてII型に、そしてデジタルの時代にある問題が発覚ー周辺部の色かぶり

・広角レンズでの色かぶり
デジタルカメラの受光部は「井戸型」とも言われ、光軸方向に深い構造になっています。だからフイルムの時には問題にならなかったことが問題になる場合が出てきました。それがこの色かぶり。対策は光が受光部に「まっすぐ」入るようにすればいい。だから一眼レフ、この点から実はデジタル素子と相性がとても良いんです。色かぶりが問題になっている例はほとんどがミラーレスだったりレンジファインダーで、一眼レフで問題になってるのはシグマのSD1くらいしかありません。

99年というまさに「フイルム時代」かつバックフォーカスが極端に短いレンジファインダー向けの設計では、まっすぐ光を入れないために色かぶりが問題になってきましたた。主にα7シリーズとかα7シリーズとか。で使ってる層には痛い問題なわけです。小型軽量な15/4.5が色かぶりで使い物にならない。そこでこのIII型、僅かに全長が伸びたもののそれでも十分に小型軽量に仕上げてきました。値段がちょっと高い(UWH 12/5.6の85,000よりもさらに高くて95,000)けど、15mmならこれ、と言わせるだけの実力を秘めています。だって先輩の15/4.5よりもさらに1段と良好な光学系に仕上げてきたんですもの。間違いありません。

2015年2月5日木曜日

PENTAXから135 full frameに対応する望遠ズームが登場

出ましたD FAの2本✌

【追記】ペンタックスからアナウンスがありました。70-200150-450それにボディーについて【追記ここまで】

Pentax HD PENTAX D FA* 70-200mm f/2.8 ED DC AW(B&Hへ)
http://www.bhphotovideo.com/c/product/1117718-REG/pentax_21330_hd_pentax_d_fa.html

HD PENTAX D FA 150-450mm f/4.5-5.6 DC AW(B&Hへ)
http://www.bhphotovideo.com/c/product/1117719-REG/pentax_21340_hd_pentax_d_fa.html

最初に見たニュースサイト
http://www.marketwired.com/press-release/ricoh-imaging-announces-two-fa-series-telephoto-zoom-lenses-the-hd-pentax-d-fa-70-200mm-1988906.htm

抜粋すると
・FAシリーズ(135 full frame・いわゆるフルサイズ対応)の70-200/2.8と150-450/4.5-5.6が発表

・70-200は2,300 USDこれをJPYに換算するとだいたい27万円です【追記】国内では小売り希望価格30万円・実売は不明【追記ここまで】
  • 定番の望遠ズーム域をカバー(APS-Cでは105-300に相当)
  • F2.8による狭い被写界深度と異常低部分分散比を持つガラスによる先鋭度の向上
  • HD・エアロブライトコーティング(ABC II←従来からさらに性能向上!)・スーパープロテクト(SP)コーティングによる反射・フレア・ゴーストの低減
  • DCモータによる高速・低騒音・クイックシフトフォーカスシステム(QSFS) 
  • フォーカスリミッター
  • 13カ所のシーリング処理(いわゆる防塵防滴?) 
  • 回転可能・脱着式の三脚座
・150-450は2,500 USDなのでJPY換算で29万円ちょっと【追記】国内では小売り希望価格32万円・実売は不明【追記ここまで】
  • 超望遠域をカバー
  • EDレンズが色収差を最小限に抑えてシャープな像を結ぶ
  • HD・SPコーティング
  • DCモーターQSFS
  • 4カ所のプリセットフォーカス専用ボタン(押すと事前に設定した撮影距離にフォーカス?)
  • 21カ所のシーリング処理(いわゆる防塵防滴?)
  • ズームロック機構
  • 回転可能・脱着式の三脚座
というわけで(DAにしてもD FAにしても、製造過程では周辺部で要求される精度が違うから値段は変わったかもしれないけど、でも光学設計そのものはほとんど違わなかったんじゃないかと思う2本の)望遠レンズの紹介はここまでです。はたしてPENTAX 135D(←135フルのデジタルって意味・ツイッターのTLで見つけたネーミング)は出るんでしょうか。2000年のフォトキナに600万画素の素子を乗っけた試作機が出たものの、結局それ以来ずっと135フルは出てこなかったのですがここにきてようやく…?

【追記】デジカメwatchでもペンタックスが35 mmフルサイズ一眼レフの開発発表をしたことが報じられています。またあわせて70-200について150-450について、それぞれ発表がありました【追記ここまで】

ボディはDAレンズを付けると自動でクロップする機能があるようで、画素数と用途次第では十分に使えそうです。

たしかにAPS-CではK-3あたりでいろんな意味の限界があるというのが正直なところ。もちろん画素数そのものはまだまだ向上の余地がありますが、市場の求めるものも考えていかなければならない。主に高感度の滑らかさという意味では同じサイズに出力したときやっぱり差が出る(そこまで拡大する場面があるかは別として)。

じゃあK-3の上は無かったのかというと、これまでは645Dなり645Zが担ってたし、645Zの高感度特性は目を見張るものがあるのですが、ただやっぱり本体が高いしレンズもなかなか使いづらい。レンズは645でなるべく統一して共用し、一部だけAPS-C対応のDAレンズにするとしても、そもそも645 - Kアダプタってそこまで便利じゃない。645のD FAは絞りリングが無いから開放限定?(どうでしたっけw)そんな状況ではちょっと無理がある。その点で135Dで中古レンズの活用とかまで含めて考えると、これはこれで興味深い選択肢なのかもしれないですね。

ファインダー(正確にはファインダー倍率)がすごくデカくて見やすければ、それだけでも使ってみたいとも思うし。ただボディについてはまだモックも出てない(モック画像のみ・CP+でモックをお披露目する)段階なので、あんまりいろいろ考えても仕方なさそうです。現段階では価格も寸法も重量もわかりません

とはいえ中古市場は動きが速いかも(すぐにでも“不良在庫”のZKは売れ始め、相場は上がる可能性も・ただ旧FA☆の80-200なんかは値下がりか)しれないので、気になる方は動向に敏感にならざるを得ない状況のようです。

【追記】ペンタックスのサイトで70-200の紹介に書いてある「撮像素子サイズの大型化にも対応が可能です」という行ですが、あくまで「現行の当社デジタル一眼レフカメラに装着すると、画面の四隅まで(中略)とともに、」に続くものですので、24x36 mmまで対応しますよという意味でしょう。【追記ここまで】