最近買ったSUPER-TAKUMARの105/2.4ですが、色がずいぶん黄色いので何かできないか考えてみました。
黄色くなるのは放射性物質(酸化トリウム)を含有したレンズが含まれており、放射線によってブラウニングが発生するためのようです。
http://uranglass.gooside.com/atomlense/atomlense.htm
http://xylocopal2.exblog.jp/4803677/
まず見てみたのはこのサイトでの方法で、マルミのMC-82Aを使って補正するというもの。
http://www.mars.dti.ne.jp/~cianmore/GALLERY/LABORATORY/labo-index.html
このMC-82Aはメーカーの説明によれば朝と夕方に色温度が低く赤みが強くなるのを補正するフィルターです。
http://www.marumi-filter.co.jp/product/11/film_02.php
67 mmのMC-82Aはヨドバシカメラで1,700円と大変にお買い得だったので、ものは試しということで買ってみました。
http://www.yodobashi.com/product/000000110186700870/
さて順番に見てフィルターの効果がどの程度か見ていきましょう。今回はフィルターの効果を見ることが目的なのでレンズはシフトしていません。
1, フィルターなし/AWB
これはフィルターなしでレンズ単体をAWBで撮影したものです。黄変しているのは確定しているので、WB固定にはせずAWBの補正能力がどのくらいあるのかチェックしてみました。ただしAWBの設定で「電球色を残す」という設定にしているので、AWBは本来より強力にレンズの黄変を補正できるのかもしれません。
2, MC-82A/AWB/露出補正なし
先の状態にMC-82Aを装着したときの画像です。WBは引き続きAWBで、多少は黄色が薄くなっていますがまだかなり色にクセがあります。
またすっかり忘れていましたが、このフィルターは露出倍数がかかります。このため露出補正をかけないと、この画像のようにフィルターなしに比べてやや暗く写ります。
3, MC-82A/AWB/露出補正+2/3
MC-82Aの露出倍数はカタログによれば2/3段ですので、RAW現像時に露出補正をプラス2/3段したものがこれです。1枚目と概ね似たような明るさであるように感じられます。
http://www7.airnet.ne.jp/camera/marumi/m06.htm
http://stardust.way-nifty.com/photo/2015/01/post-b444.html
4, フィルターなし/白点指定WB
続いてRAW現像時にホワイトバランスを任意で指定して、フィルターの有無やWBのパラメータの変化について見ていきます。これによってMC-82Aが不適切ならばさらにどのようなフィルターがあればより自然な色調が得られるのか考察できます。
少し青くしすぎたような気もしますが、少なくともAWBの設定よりはマトモな色に見えます。WBは(色温度, 色合い)がAWBで(4908, +2.1)だったのが白点指定で(3467, +4.9)になりました。青とマゼンタの方向に振る必要があるようです。もしかしたらタングステン光源に対する補正用のケンコーC8などが適切かもしれません。
http://www.yodobashi.com/product/100000001001309172/
5, MC-82A/白点指定WB/露出補正+0.4
フィルターありのほうもホワイトバランスを任意で指定してみました。WBは(色温度, 色合い)がAWBで(4876, +1.9)だったのが白点指定で(3703, +7.9)になりました。フィルターは色温度で-200ケルビンと色合いで-3.0程度の変化を生みました。
また白点指定後に明るさをなるべく先の例に揃えようとしたところ、露出補正の値は+2/3ではなく+0.4にするのが適切なようでした。
以上が今回の結果です。今回はMC-82Aを試してみましたが、手持ちのレンズに対してはさらに強力な「青」のフィルターが必要です。タングステン光源用の補正フィルターで、より強力な青フィルターが良さそうです。ケンコーC8のほかにもマルミのMC-80AまたはMC-80Bあたりが候補に思えます。ただしこのMC-82Aのように1,700円などという安い値段ではないため、実験はここまでです。
黄変の度合いはレンズによってだいぶ違うので、軽微な黄変であればMC-82Aで十分な補正効果が得られるものもあると思います。
http://mitoken.asia/blog/2014/11/02/trio%e3%81%a7thorium/
また黄変は一般に色温度が描く軌跡に沿って黄色く(橙に)なっているわけではないので、色合い方向の補正も合わせて必要になりそうです。
黄変したレンズの分光透過特性が、太陽光に対するタングステン光源のように演色性が高いまま波長によるバランスが違うだけであればフィルターで簡単に補正できそうですが、一部の波長で極端に偏った特性を持っていた場合はフィルター1枚で多くの場面で容易に補正ができないものと推測されます。
またデジタルでRAW撮影していた場合は、白点指定によって思いのほか容易に確実な補正ができてしまったことも事実です。もっと難しいものだと思っていました。
このレンズは夏になったら何日か日光浴をさせて後群の黄色を抜いてみます。または紫外線を発するLEDを買ってきて黄変をなるべく打ち消します。というのもどうやら紫外線に晒すことでこのブラウニングが低減されるらしいからです。
http://home.a00.itscom.net/shisan12/bunkai21.htm
http://minkara.carview.co.jp/userid/161516/blog/39013582/
https://www.yaotomi.co.jp/blog/used/2013/05/post-88.html
https://www.yaotomi.co.jp/blog/used/2013/06/post-89.html
https://www.yaotomi.co.jp/blog/used/2013/06/post-90.html
https://www.yaotomi.co.jp/blog/used/2013/06/post-91.html
https://www.dpreview.com/forums/thread/4010268
その上でフィルターなしで十分実用になる色合いになるか、またMC-82Aでどのような色合いになるかを試してみます。
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