ペンタックス67 55/4の遠方の描写については以前に詳しく見ていますが、天気が良かった日に改めて撮影し直しました。今回の撮影条件の詳細はこちらの投稿に記載してあります。早速見ていきます。
1, レンズの中央付近
ピントが合っている場所は上から5~6段目どちらが最良か迷います。絞り開放では5がピークに見えますが、F5.6では6がより良さそうでF8.0では間違いなく6のほうが良い描写という印象です。ピント面とは別に前側のボケがかなり汚い印象で、そのかわりなのか後側のボケは良好なようで綺麗にフワッとしています。
2, 少し左
主に中央付近との比較ですが、開放では中央とほとんど同じです。
3, もう少し左
ここまで来ると少し様子が変わり、開放では上から5~6段目ではなく3~4段目が最良のようです。よりピントが奥でピークに見えるので、レンズのピント面そのものは少し手前側に移動しているようです。1段絞ったF5.6では4段目の方が3段目よりスッキリした描写になり、5段目は相変わらず4段目には及びません。F8.0とF11では3~4段目がほぼ同じような描写となり、また5段目はこれらより少し後れを取っているようにも見えますがほぼ同様の描写に見えます。
また周辺光量不足による影響なのかF4.0では暗く写っています。F5.6からはいくら絞っても明るさに変化はありません。
4, 水平方向で一番の端っこ
ペンタックスの純正アダプタで645Dに付けた場合にはまったく写らない範囲です。絞り開放では上から3~5段目あたりが良さそうで、F5.6では上から4段目がもっとも良さそうです。F8.0では再び3~5段目が良くてF11では3~6段目が良さそうです。
5, まとめ
前回のテストと同じく、中央では絞ったときにピークが少し奥に動くことと、周辺部ではピークが少し手前に来ることが観察できました。中央で絞ったときのピークの動き方は、これまで使ってきたレンズの多くと逆です。たとえばNOKTON 58/1.4 SL IIでは絞り開放で「ここらへんがピークかな」と思う場所より少しだけピントを奥にしておくことで、絞ったときのピークが来ます。しかしこの55/4ではF4.0のとき気持ちピントを手前にすることでF8.0でピークが得られるようです。ただし周辺部は絞り値に関係なく中央よりやや手前にピークが来るようなので、このバランスをうまく取っていく必要がありそうです。
注意すべきはF8.0で撮影するときで、画面の中央でピークになる位置だけを見ていると周辺部のピントが手前に来てしまいます。一つの解決策はF4.0で中央でピークになるようにピントを合わせてからF8.0に絞り込むことです。ライブビューが容易なD810Aではこの手法で問題なさそうですが、645Dの場合はより慎重に確かめた方が良さそうです。これはOVFのみなので基本的にF4.0で最良と思われる位置に合わせてデジタルプレビューを実施、F8.0に絞り込んでだ状態では中央部分だけでなく周辺部分まで含めて確認しないと後になって「周辺部のピントが手前になってた」という事態になりかねません。
ピークが中央と周辺で異なるとは書きましたが、その差違は小さく抑えられているので、バケペンで使う分にはほとんど気にならない程度だと思います。そのバケペンでも周辺光量については絞り開放のF4.0だとかなり不足する話をちらほら聞いています。F5.6まで絞って撮れば全体的にまとまりの良い描写が楽しめるのでは無いかと思います。大きさ重さを含めて考えると45/4もかなり良いですが、描写だけを純粋に見た場合はこの55/4のほうに軍配が上がります。
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