恐ろしい実力を目の当たりにしているところではありますが、その化け物レンズの外観はというとこんなです。
50mmクラスのマクロレンズとしては標準的な設計で、かなり奥まった位置に第一レンズがあります。
製品外観などからレンズの口径が非常に小さいように思っていたのですが、実際には筐体が大きいようです。もちろん準対称光学系で開放絞り値が2.0ですからレンズの口径も小さくて当然です。しかしそれ以上に鏡筒が大きいのです。またレンズ本体はかなり重く、500mlのペットボトル飲料よりも重くなっています。
マウント側から眺めるとこのようになります。とてもF2.0の50mmとは思えません。つまり非常に鏡筒が太くなっています。フードが太いために余計に大柄なレンズに見えます。ピント操作部は金属が精密に刻まれ、重く滑らかなヘリコイドと相まって至極のフォーカシングを提供します。
前面から見るとこのような感じに。レンズのフィルター径は67mmですが、このフードの先端は77mmになっています。ネジ山は切られていないのですが、一時的にキャップをはめておくには十分。この設計は「技有り」です。ただし「はまるだけ」なのでフィルター枠として使うにはやや不安が残ります。
前玉は上の写真に示すような様相を呈します。Carl Zeissレンズのコーティングは言わずと知れた"T*"ですからフレアやゴーストに悩まされることは非常に少ないです。
それにしてもCarl Zeissシリーズの重厚な金属の作りと精密な操作性には魅せられます。撮る愉しみというか、シャッターを切るまでの段階を味わえるレンズになっています。一体このような電子制御全盛の時代に、よくぞこのような趣味性の高いレンズを発売してくれたと思います。
箱もただの入れ物ではないような、そんなこだわりが見え隠れします。光学系の印刷に加えて品質保証のシールまで貼付された箱は、製品の自信を示すかのようです。これらのレンズは一本ずつ人の手によって点検され、万全の状態であることを保証してから出荷されます。効率化の現代の流れに全く逆らうかのようなこの製品は、私にとって大歓迎です。
構図を定め、ピントをじっくり追い込み、絞りを決めてシャッターを切る。この一つ一つに時間をかけて綿密な撮影が実現できます。単純に結果が出れば(写真が撮れれば)いいのではない、というのがこのレンズを使ってみての感想です。
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