2009年5月19日火曜日

子供だましの「携帯1,000万画素」

ご冗談でしょ?シャープが開発したソフトバンクの端末AQUOS SHOT 933SHですが、なんと1,000万画素も画素数があると言うことです。

そんなに画素数が必要な場面があるのでしょうか。そしてはたして500万画素に比べて「2倍の画素」の効果はあるのでしょうか。まったく疑問を呈さざるを得ません。

さらに不思議なのは感度。ISO換算値で3200で、画素混合200万画素モード(たぶん4画素くらいを一つの画素として扱うことで感度を上げる常套手段)ではISO12800相当を実現したみたいです。どんなに盛大なノイズ(またはノイズリダクションによるディテール再現性の低下)が見られるのでしょうか。

自宅にあるFinepix F60fdは1,200万画素で常用ISO1600で画素混合の300万画素でISO6400相当を実現しています。発売は2008/8/23ですから1年足らず。メーカが違うとは言ってもCCD関係について特に大きなブレイクスルーはありませんし(さらに悪いことにFujifirmは独自のCCDを使うので一般のCCDよりは高感度に強い)、とてもこの933SHが1,000万画素として機能するとは思わない。

せいぜい400万画素がいいところかと思います。感度も期待できません。

それでも画素数の数値だけで飛びつくんだよなー、素人は。一眼レフの800万画素って聞くと「コンデジは1,200万画素あるんだよ」って親切に教えてくれる人がいます。でも全然違うんですよ。

一眼レフはそれぞれの1画素がしっかり仕事をしている印象。一方でコンデジはなんとなく全部の画素で協力してなんとか全体を破綻させずに保っている印象。これが同じ場面で比較写真を撮ったときの感想です。

結局レンズの大きさと受光素子の大きさが肝要です。そこをしっかりすればいいし、逆にどちらかが欠けてもダメ。だからコンパクトデジタルカメラでも光学設計がすばらしければ(もちろん値段は高い)かなり一眼レフとも戦えるのです。具体例としてはPowerShot G10はEOS 50Dなんかです。デジカメwatchの中のこの記事が参考になります。

【伊達淳一のデジタルでいこう!】デジタル一眼6機種画質対決

ここでG10が意外にも頑張ったとの記述があります。だからコンパクトデジタルカメラに全く見込みがないわけじゃありません。しかしそうはいってもほとんどの場合は光学設計の手を抜いているのでダメなんですよね。特に(解像力だけではなく)高感度撮影のノイズはG10でも全く歯が立ちません。V6の 3.7L(NA)が持つ余裕が直4の2.5L(過給)では真似できないようなものです。

ちなみに光学設計に力を入れているのはリコーとシグマ(DP1,DP2)くらいです。あとはキヤノンとニコンの最上位機種。その他は知りません。結局値段次第なんですよね。

ま、別に私が買わないと言うだけで買いたい人は買って使えばいいと思います。あえて止める理由はありません。

ただ個人的にはコンパクトデジタルカメラも含めて高画素化よりも高画質化を目指してほしいです。これからは配線ピッチや集光マイクロレンズの問題から、画素数よりも画質を上げる方向へ進むと読んでいます。もちろんある程度の高画素化は続くと思われます。

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