2016年3月14日月曜日

線の太さ

解像感と解像度はたぶん違うもので、レンズはどうやら解像感重視と解像度重視の設計が可能であろうということが考察されました。レンズの評価で線が太い or 線が細いという表現がありますが、これはおそらく解像感と解像度に関係ありそうです。

線が太いレンズは、解像感重視の設計だと考えられます。これが正しければ「写っている線がくっきりはっきりしているが、細かい部分は潰れてしまって写らない」です。このため画面を構成できる線は太いものばかりで、しかもその線は背景に対する明暗差がしっかり出てきます。くっきりはっきり、太い線ばかりで構成されているので「線が太い」という感想を持ちます。

一方で線が細いレンズは、解像度重視の設計だと考えられます。言い換えると低周波数の応答はそこまで良くないけど、高周波数の成分までしっかり描写するレンズです。このため線が太いレンズでくっきりはっきりしていた太い線はコントラストが低下しているので滲んだようになります。しかしそれよりもさらに細い線も、コントラストは低下しているものの潰れることなく写っているような状況になると考えられます。実写では、ぱっと見「あれ、甘くない?」と思うのですがよくよく観察すると「ああ、ここまでちゃんと写ってるのか」というタイプです。思ったよりも細い線がちゃんと写ってるので「線が細い」という感想につながるのだろうと考えられます。

どちらがいいのかは状況次第ですが、一つだけ明確なのは低周波数での応答が優れ、高周波でも応答が優れているレンズに勝るものはないということです。ただし現実では費用や光学系の大きさ重さの制約、また一般的にレンズは絞れば写りが良くなるので開放から広域に亘って素晴らしい応答を示すレンズは少ないものと思われます。

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