2016年3月28日月曜日

Carl Zeissが出してた「MTFの読み方」を読んでみた(序・その2)

(前回の続き)

・シグマ
https://www.sigma-photo.co.jp/new/new_topic.php?id=611
“MTF(Modulation Transfer Function)は、レンズ性能を評価する尺度のひとつで、被写体の持つコントラストを像面上でどれだけ忠実に再現できるかを空間周波数特性として表したものです。
図の横軸に像高(画面中心からの距離mm)をとり、縦軸にコントラスト値(最高値を1)を示したものです。
MTFには光の波動的性質を考慮した「波動光学的MTF」と考慮しない「幾何光学的MTF」があります。
光の波動的性質は光の回折現象として現れますが、回折現象はF値が大きくなる(絞り込む)ほど顕著で、
像の解像度を低下させる原因になっています。また、回折現象は開放状態でも発生しており、弊社では、当初から実際の撮影データに近い「波動光学的MTF」を掲載しております。
一方、光の波動的性質を考慮しないMTFは「幾何光学的MTF」と呼ばれ、簡易的に計算できるメリットがあります。しかし、回折現象を考慮しないためF値が大きくなるほど実写性能よりも値が高くなる傾向を持っています。”

これは波動光学的MTFと幾何光学的MTFの違いについて、です。このほかに

“このMTF曲線は、絞り開放時の空間周波数10本/mm(1ミリの中に白黒の組が10組)に対応する曲線を赤線で、空間周波数30本/mm(1ミリの中に 白黒の組が30組)に対応する曲線を緑線で示しています。10本/mm の曲線が高いほど(1に近いほど)コントラストがよくヌケのよいレンズとなり、30本/mmの曲線が高いほど(1に近いほど)高解像度でシャープなレンズ といえます。また、S方向(サジタル方向:放射方向)とM方向(メリジオナル方向:同心円方向)の特性が揃っているほど自然な描写が得られボケ味のよいレ ンズとなります”

という記載がありますが、いずれたいした話はしていません。

・トキナー
http://www.kenko-tokina.co.jp/faq/0238.html
“被写体の持つコントラストを像面上でどのくらい再現できるかを表すものです。”

手抜きしすぎ

・タムロン
http://www.tamron.jp/product/lenses/a012.html (「MTFの見方」をクリックすると表示)
“被写体の持つコントラストを、レンズを通してどの程度忠実に再現できるかを表したのがMTF(Modulation Transfer Function)曲線図です。
MTF曲線図の10本/mm(低周波)のカーブが1に近いほどコントラストの再現性がよく、ヌケの良いレンズとなり、30本/mm(高周波)のカーブが1に近いほど解像性のよいシャープなレンズとなります。
また、画面の放射方向(サジタル・実線)と円周方向(メリジオナル・破線)によっても、カーブが異なります。
シャープで抜けがよく、画面全体で均質な性能を得るには、それぞれのカーブのバランスが取れていることが大切です。
なお、レンズ性能は、ボケ味や各種収差の状況など、MTF曲線図だけでは表せない側面もあります。MTF曲線図は、レンズ性能を表す尺度のひとつとしてご利用いただけます。 ”

相変わらず生ぬるい表記で、イマイチ当を得ません。

・コシナ
※Carl ZeissとZEISS銘のレンズのみチャートを公表し、読み方は記載なし

・Carl Zeiss
詳細データを公表
How to Read MTF Curves - Zeiss
https://www.zeiss.com/content/dam/Photography/new/pdf/en/cln_archiv/cln30_en_web_special_mtf_01.pdf

そこで次回以降、唯一のまともな(?)記載がされてるCarl ZeissのPDFファイルを参考に、どうやってMTFチャートは活用されうるのか検討していきます。

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