Apo-lanthar 90mm F3.5 SL ii Close Focusって実際どうなの?と気になったので比べてみました。
ニコンFマウント(Ai-SというかAi-Pというか)を近代インターナショナルのアダプタでEFマウント化。
比較相手はSonnar 85mm F2.8 MMJ(京セラ)で、こちらは某アダプタにてEFマウント化しました。
ボディーはEOS 5D mark2です。
評価項目は
・無限遠でのコントラスト(シャープさ)、周辺光量
・中距離でのボケとピントの立ち上がり
・近距離でのコントラスト、色収差の量
結論:どちらもすごいレベルである。でもアポランが一枚上手。
今時90mm単焦点しかもF3.5なんて、と思うかもしれません。が、撮り方が変わります。
最短50cm(+専用クローズアップレンズ)も魅力。迷わず買うべき。
※実写はSkyDriveに保存してあり、画像をクリックするとSkyDriveへ飛びます。
1,無限遠
両者ともにコントラストは良好で甘さはほとんどない。色収差もほぼ同等。
周辺光量落ちに少し差があるが、実用上ほとんど差はない(実写参照)。
下の作例は何れも開放で、SonnarはF2.8に、Apo lantharはF3.5に設定。
まずはApo-lanthar
続いてSonnar
2,中距離
ボケも含めて似たような傾向。
そもそもApo-LantharはSonnarに似た5群6枚構成だから特性が似通っていることは当たり前。
上がアポランで下がゾナー
3,近距離
中距離に同じ。どちらもハイレベルな戦い。
色収差の観点から少しだけApo-Lantharのほうが優位。
さすがApo-Lanthar(ランタン系が含まれるガラスを用いて色収差を取り除いたレンズ)というだけのことはあるが、Sonnarもよく頑張っている。
ここの近距離とはSonnar85mmの限界である1mの話であり、Apo-Lantharはここからさらに寄れる。
クローズアップレンズも付属しているため、その接近性能だけでも買う価値がある。
言うまでもなく上がApo-lanthar
4,逆光
Sonnar85mmはフレアが出るときは出る。それでも通常使用ではそこまで気にならない。
ただそれ以上にApo-Lanthar90mmが非常に優秀。Sonnarが苦戦する状況でもフレアが出ない。
比較は上記2,と3,で行えばよい。共に画面右下の締まりが違う。
5,まとめ
EOS使いには安価なSonnar+アダプタも魅力だが、Nikonユーザは唯一無二な製品。
だがマウントアダプタの相性等まで考えるとApo-Lantharのほうがよい(現在Ai-SとEFマウントを販売中)。
さらにコシナはかなり細かいことまで良心的な対応をしてくれる。
メーカーのアフターケアも評価ポイントである。
口径は小さいが実際に近接撮影ともなればF3.5でも十分に被写界深度は浅い。
Makro-Planar2/100もF2.8までは深度が浅くて使いづらいだろう。
風景撮影でも多くの人はF2.8以下を求める機会は少ないので実用上十分である。
どうしてもF2.8以下が必要な人はこのレンズなんか眼中にないはず。たとえばPlanar1.4/85がある。
したがってちょっとでも気になる人は絶対に買うべき。
とにかく撮影の幅を広げたいと考えているなら迷う必要は無い。単焦点の良さがわかる。
ただし「広げる」と言っても撮影画角すなわち広角を考えている人には向かないだろう。
またSonnar85mm 2.8をすでに持っている場合、遠距離はほぼ違いがない点が悩ましい。
上記の迷いはあるが安価という側面も鑑みれば、お店に直行するのが最善の選択である。
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