最初にマクロプラナーを手にしたのは10年以上前で、具体的には2009年の5月なので10年と6ヶ月くらいのようです(参考)。
レンズの特徴
その後いろいろと使ってきた上での印象は、端的には使いやすいレンズです。というのも巨大なレンズではないながらもF2.0を達成しつつ0.5倍まで寄れること、また絞り解放で古典的な50/1.4ほど低コントラストでないので、使う場面を選びません。
その一方で、コシナの作るCarl Zeiss共通の特徴とも言える口径蝕の大きさ、もしかしたらMilvusで改善しているかもしれない逆光への耐性に加えて、描写に2つの特徴があります。1つ目は絞り開放~F4.0くらいで球面収差の影響で前ボケがやや汚く、軸上色収差が目立つ場面があります。2つ目は無限遠付近に限っては四隅が辛くてF11まで絞らないと良くならないことと、軽い像面湾曲がF4.0くらいで気になることがあります。
このあたりは大きさ重さ(そして値段)と性能のバランスをいかに取っていくか、なので「このレンズはダメだ」なんて言うつもりは一切ありません。各項目について、他の人はどのようなレビューをしているのか、見ていきましょう。
口径蝕
まずは口径蝕について、開放のボケの変形やや大きいという指摘です。周辺光量不足はソフトで補えますが、ボケの変形は後から補正することができません。
http://sacriphotography.blogspot.com/2015/09/planar-t-1450-zf2-makro-planar-t-250-zf2.html
逆光
逆光は辛いという意見です。たしかに意地の悪い太陽の配置をしていますが、それでもここまでゴースト・フレアが出るのは事実です。特にフレアは除去が難しく、光学ファインダーでは容易に見落としてしまう場合があるので厄介です。
http://phantomroom.blog.fc2.com/blog-entry-65.html
構図が絶妙だと虹色のゴーストが出るようです。
https://asahiwa.jp/h/lens_carlzeiss_makroplanar50f2zf2.html絞り解放での甘さ(球面収差)
存外優しい描写をする、言い換えると開放ではややフワッとした写りという表現も見られます。
https://review.kakaku.com/review/K0000078064/
https://supa-sanpo.com/review/799
ボケについて具体的な言及はされていませんが、実際は奥側が柔らかいボケで手前が固くなります。ただしPlanar 1,4/50ほどではありません。
軸上色収差
ここのクモの巣の作例に特徴的な軸上色収差が出ています。
https://tk9305.com/carlzeiss-makro-planar50f2
また別のサイトでMilvusを使ってる人も、特に最短撮影距離では手前に紫、奥に緑の色付が見られると述べています。
http://photocarbu.jp/blog/milvus_50-2_review/
四隅が流れる
個人的にもっとも気になる遠景で四隅が流れる問題について、実例を伴った説明です。作例ではMilvusバージョンですが同様の現象です。またここの遠景での作例では絞り開放時に理想的なピント位置よりほんの少しだけ手前にピントを合わせた状態になっています。F4.0程度からはむしろこのピント位置がベストになるので難しいところですが、なんとなく感じる軽微な像面湾曲+四隅の流れと相まってどの位置にピントを置くかを厳密に追い込もうとするととても難しい選択を迫られます。
http://photocarbu.jp/blog/milvus_50-2_review/
こちらでは具体的な四隅の流れの様子は確認できないものの、四隅が流れる症状について述べられています。
https://hoboshuhu.com/makroplanar-50mm-zf-2nd/
発色が黄色い(?)
そして個人的には気づいてなかったのですが、発色がかなり黄色いようです。ただしどちらがより「正しい」のかは分かりません。
http://tansyouten.blog.fc2.com/blog-entry-11.html
多才な性格(最大の利点)
用途が多くて万能な写りをするレンズというのが、典型的なこのレンズの評価です。写りに艶があるあるいは質感が感じられる(?)というのもよくある表現です。
https://kotoba-box.com/my-best-makro-planar
https://noripin.com/2019/08/17/lenz_makroplanar/
http://blog.livedoor.jp/otoko50_49/archives/17088910.html利点の項目はこの1つで、しかもとても短くまとめましたが、これはかなり強力です。上に示した3つのリンクだけではなく、末尾のリンク一覧を含めて好感触を抱くユーザーが多くいる事実は良いレンズということを如実に物語っているでしょう。
まとめ
手放しで賞賛するには少し弱点が多いようにも思いますが、それでも使い勝手は良いレンズです。50 mmが好きでMFが苦にならない人が「バランスの良い多彩なレンズ」を探したら有力な候補となりそうです。
近接撮影を必要としない場合は他に強力なライバルがあります。たとえばとにかく性能を求めるOtus 1,4/55など、またEマウントであればAPO-LANTHAR 50mm F2 Asphericalも有力な選択肢になりそうです。それでも寄れて極端に高くない50 mmという存在は珍しいものです。
なおむき出しだとゴーストやフレアの原因になり得るクロームメッキのフィルタースレッドと、マクロ撮影した際に被写体に銘板の彫刻が写り込みかねないデザインはMilvus化に伴って変更され、現在は同様の光学系のままMilvusの50Mとして発売されています。コーティングなどを変更しているというので、もしかしたら逆光に対する耐性はMilvusのほうが良いかもしれません。
リンク集
近距離に配した被写体の作例が多く掲載されています。
https://ameblo.jp/kusumimorikage/entry-12081576311.htmlhttp://photo.yodobashi.com/nikon/lens/makroplanar2_50/
https://xico.media/review/makro-planar-50mm-f2/
そのほかのレビューなどです。
https://kotoba-box.com/carlzeiss-makroplanar-50mmf2-zf2-review
https://note.com/gangi_mari/n/nd0d7a2088d1d
https://maenomeri.tokyo/df-makro-planar/
https://pentax-memo.brassworks.jp/lenses/cosina-carl-zeiss-makro-planar-t-2-50-zk/
https://memorygraph.hatenablog.com/entry/2016/12/23/205028
https://opa1960.exblog.jp/20462677/
https://www.nokt-lab.com/review-carl-zeiss-makro-planar-50mm-f2-zf-first-impression/
https://www.cameranonaniwa.co.jp/blogs/2220547480/
https://hoboshuhu.com/makroplanar-50mm-zf-2nd/
https://tk9305.com/carlzeiss-makro-planar50f2
https://www.mottupeak.com/entry/2019/05/23/051725
https://tano41.net/makro-planar-f2-50ze/
https://haya1111.com/review-cosina-cz-ze-mp50/
https://hoboshuhu.com/makroplanar-50mm-zf/
https://www.weblog-life.net/entry/carl_zeiss_makro-planar50ze
http://kodawarinikki.blog107.fc2.com/blog-entry-2393.html
https://toshiboo-blog.tumblr.com/post/124835663344/makro-planar-t-2-50
https://tottotte.com/%E3%83%9E%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%8A%E3%83%BC50mm/
https://capa.getnavi.jp/report/91/
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