Taken with brwafe2: Distagon 3,5/18のレビューまとめ

これまたWeb上には情報が少ない旧型のDistagon 3,5/18です。このブログでは既にレビューを行っており、レンズの特徴について一通り網羅してあります。勝手に決めたライバルDistagon 2,8/21との比較を端的にまとめると

絞り開放で目立つ前ボケの堅さと口径蝕の大きさ
倍率色収差が大きく、また最短撮影距離が長い
全長が短く軽いので携行しやすい
相場が低めで入手性が高い（未だ新品のZF.2/ZEが89,800円で買える）

https://brwafe2.blogspot.com/2019/02/carl-zeiss-distagon-35-18-zf-review.html

他の人のレビューがなかなか見つからないのですが調べてみました。

まずは日本語で記載されたDistagon 3,5/18のユーザーレビューでもっとも具体的かつ購入の参考になる内容と思われるページです。キヤノンEFマウントの17-40/4と比較しています。

https://jundled.exblog.jp/12231893/

英語のレビューサイトですが同様の内容で、比較相手にはイメージサークルが広いので四隅の描写がより良いと予想されるTS-E 17/4も含まれています。

https://macdanzigphotography.wordpress.com/2010/01/08/zeiss-18mm-distagon-review/

Distagon 3,5/18の周辺部がやや不利に見える描写ですが、このレンズは少し像面湾曲があるので、特にF5.6やF8.0に絞ったときは中央部でややピントが奥に思える位置にすると四隅で最良の描写となります。実際に左右隅の比較では像面湾曲がうまく機能して、絞り開放でDistagon 3,5/18がリードしています。無限遠にピントを合わせたい場合には、画面全体を見渡して中央を少し犠牲にするかどうか選んでいます。通常は中央をやや犠牲にしてでも四隅で像が緩くならないようなピント位置を選んでいます。

The-Digital-Picture.comでも同じ比較が行われていて、こちらのDistagon 3,5/18は四隅ベストになるようなピント位置になっているように思えます。

https://www.the-digital-picture.com/Comparisons/Zeiss-18mm-f-3.5-ZE-Distagon-Lens.aspx

なおこのThe-Digital-Picture.comにおけるDistagon 3,5/18のレンズそのもののレビューはこちらです。

https://www.the-digital-picture.com/Reviews/Zeiss-18mm-f-3.5-ZE-Distagon-Lens-Review.aspx

周辺部の描写が強いことは、別のレンズとの比較でも示されていて、具体的にはニコンFマウントの14-24/2.8との比較です。

https://www.vieribottazzini.com/2013/12/zeiss-distagon-18mm-f3-5-review.html

ただしこの例を見たところでは、14-24/2.8は像面湾曲があるようで、画面中央でピークになるようにピントを合わせると周辺部のピントはややズレるようです。

また公平さを期すために述べておくと、Distagon 3,5/18のほうは四隅はまとまりのある描写なのですが中間画角で像がやや流れたようなものになります。非点収差かは分かりませんが、MTF曲線でも放射方向と同心円方向の乖離が大きくなっています。とはいえ画面全体でのまとまりを見ると、四隅の描写は少なくとも私の使い方では必要にして十分な写りであり、必ずしもDistagon 2,8/21でなければならないと感じるほどではありません。

開放とF8.0の両方で中央と周辺を同時に示した例が含まれるレビューで、必要にして十分という表現をよく表している例です。

http://www.olegnovikov.com/technical/zeiss_18mm_f35/zeiss_18mm_f35.shtml

数値を含めたレビューです。

http://slrlensreview.com/web/reviews/carl-zeiss-lenses-swhorizontalmenu-172/zeiss-wide-angle/498-carl-zeiss-distagon-t-18mm-f35-zf-lens-review

別のサイトのユーザーレビューですが、気になる記述を見つけました。

Barrel correction not up to the old f4.

https://www.juzaphoto.com/recensione.php?l=en&t=zeiss_18

このレビューではY/C（ヤシカコンタックス）の18/4と比べたときに歪曲収差の補正が劣ると述べています。それではデータシートで確認してみましょう。まずはこの記事で主に扱っているDistagon 3,5/18 ZF, ZK, ZF.2, ZEです

https://www.zeiss.com/content/dam/consumer-products/downloads/historical-products/photography/classic-lenses/en/datasheet-zeiss-classic-distagon-3518.pdf

u=15 mm付近にかけて正弦波的に最大で-2.3%まで膨らんだ後に-0.8%程度まで戻る、途中まで樽形で最後は糸巻き型が組み合わさる陣笠型の歪曲収差です。さて比較対象のY/CマウントDistagon 4/18はどうでしょうか。

https://www.zeiss.com/content/dam/consumer-products/downloads/historical-products/photography/contax-yashica/en/datasheet-zeiss-distagon-418-en.pdf

こちらもu=15 mm付近にかけて正弦波的に値が大きくなりますが、最大値は-2.1～-2.2%程度でしょうか。ここから画面端部へ向けて-1.0%程度に数字が減っていきます。形状としては同じでも最大値の絶対値が小さく、端部への戻り方も緩やかになることから、特に画面の長辺の端に水平線を配する構図で水平線が波打つ程度をより小さく感じるでしょう。

別のレビューです。カラーバランスがキヤノンの16-35/2.8IIと比べて黄色いようです。もしかしたらこの黄色めの発色というのも特徴なのかもしれません。

https://www.kenrockwell.com/zeiss/slr/18mm-f35.htm

2018年に使い始めた人が最初にZFやZKとして登場してから10年が経過してもなお色あせないレンズと評しています。

https://peberhardt.net/reviews/carl-zeiss-distagon-t-18mm-f3-5-zf-2-review

Distagon 2,8/21とオムニバス形式のレビュー

https://www.shutterbug.com/content/carl-zeiss%E2%80%99-distagon-t-18mm-f35-and-distagon-t-21mm-f28-lenses-open-wide-wider-still%E2%80%A6%E2%80%99s-it

どうしても避けられないDistagon 2,8/21との比較で、もちろん比較すれば劣る面はあるけど大きく水をあけられているわけでもないと述べています。とくに第一印象で小型なのが良いとのこと。

https://peberhardt.net/reviews/carl-zeiss-distagon-t-18mm-f3-5-zf-2-review

コシナ公式の作例です。

http://www.cosina.co.jp/gallery/tsukiji-18/

そのほかのレビューや作例（日本語）

https://www.cameranonaniwa.co.jp/blogs/111018962/