2010年6月19日土曜日

アジサイ with "Color Skopar"20/3.5

 アジサイを初めとする「花」を撮るときは毎度Makro Planar T* 2/50を使っています。このレンズは非の打ち所がないのですが、いつも同じではバリエーションが生まれません。新しい撮影の視点を持つことが難しくなります。表現上、これは大変に悪いことですからたまには「突撃」も大事です。


そういうわけでコシナから発売されているCOLOR SKOPAR 20mm F3.5 SL2 Asphericalを装着してアジサイを撮ることに。ピント面の解像力は標準的なレンズを凌駕します。周辺まで解像力が維持される(像が妙に流れたりしない)点が独特です。ボケも比較的素直なほう。つまりMTFを取ってみれば放射方向と同心円方向の特性が揃っているということでしょう。

今回の写真では画面下のアジサイは焦点深度外であり、最初からピントが合わない領域です。レンズ結像性能が不均一で「甘い」という評価にはなりません。

またこれまで複数の種類の被写体を撮影して、カラースコパーの第一印象は次のような物です。実を言うと購入はかなり前です。すぐには評価することが出来ず、今回ようやく評価が出来ました。



1,小型
先ず小さい。20mmらしからぬ大きさです。見た目の大きさに比して重量は立派ですが、この重さは快適です。ピントの感触は完璧です。ヤマは見づらくありません。普段は標準域でF2.0、望遠ではF2.8のレンズを使っていることから考えると、広角のF3.5にしては相当に見やすいです。

2,口径蝕
前玉が小さいことに起因する口径蝕が(特にフルサイズCMOS搭載機種で)大きく出ます。この口径蝕は味です。味を出すために周辺を落とすという技が使えない人は純正レンズで周辺光量補正をすればいいのです。F11~F16まで絞れば口径蝕は気にならない程度まで収まります。
APS-HやAPS-Cサイズで述べれば、口径蝕は絞り開放からさほど気になりません。F5.6くらいで十分でしょう。歪曲収差も考慮するとAPS-Hサイズ以下(APS-C等)で使えばこのレンズは「完璧」に感じられるでしょう。

3,解像力
開放からかなり高いです。フルサイズであっても周辺まで高い値を示すと推測されます。極めて軽微ですが左右で非対称な解像力です。ただこれは「あり得ないほど高水準の中で、よく見れば差が出ているように見受けられる」という程度の話です。そこらでみかけるズームレンズには圧勝できます。APS-Cの領域では「高水準の中での軽微な解像力の差」が出てこないのでやはり「完璧」となるでしょう。

これ以上の詳細な印象はまた別の機会に。

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