2021年3月21日日曜日

旧世代EOS-1D系統のパーソナル機能 (P.Fn)の設定はIEEE 1394接続が必須

 EOS-1D, EOS-1Ds, EOS-1D Mark II, EOS-1Ds Mark II, and EOS-1D Mark II Nではカスタムファンクション(C.Fn)の他にパーソナル機能(P.Fn)と呼ばれる設定群が存在します。ところがこの設定はIEEE 1394(i.LINKやFireWireなどの名でも知られる)でEOS Utility 2.7.3(Mac OS X向けは2.7.2)以下のバージョンがインストールされたパソコンへ接続する必要があります。

EOS Utilityはパソコンとカメラを接続して画像取り込みやテザー撮影などを可能にするソフトです。テザー撮影はIEEE 1394接続によって行うのが2000年頃の主流だったようです。たとえばコダックのDCSシリーズ(1987-2004年)では、最初がSCSIで後にIEEE 1394へ移行しています。詳細はThe DCS storyに記載があり、これは以下のブログ記事の末尾にリンクがあります。

https://ilovephoto.hatenablog.com/entry/20110218/1298010529

またMamiya ZDもIEEE 1394接続です。

https://www.dpreview.com/articles/0448333668/mamiya-zd

このようにテザー撮影するためのインターフェースがIEEE 1394なのは理解できますが、一方で通称2桁Dは早くからUSB対応になっていたのもまた事実です。さらにEOS-1vのP.Fnもパソコンとの接続ではUSBが使われています。このためEOS-1D系統ではテザー撮影と直接は関係ないようにみえるP.Fnが、なぜUSB接続ではなくあえてIEEE 1394接続を必要とする構成になっているかは分かりません。一応C.Fnよりもさらに細かい設定であくまで「必要に応じて設定が可能」という位置づけのようです。その割にはかゆいところに手が届く便利な設定も多くあるのですが……

ここでEOS Utilityのバージョンが厄介で、WindowsならXP/VistaでMac OS Xだと10.4と10.5(制限付きなら10.6も可)にしか対応していません。Windows版は7以降の場合で互換モードがどのように(正常に)動作するのか気になるところですが、少なくともMac OS Xに関しては10.7以降はダメということのようです。メーカーとしては古い機種をいつまでも使われると商売あがったりなので当然の流れではあります。

Windows XP/Vista対応のv2.7.3

https://cweb.canon.jp/drv-upd/dc/eu273ja.html

https://asia.canon/en/support/0200096204

Mac OS X 10.4と10.5対応のv2.7.2

https://cweb.canon.jp/drv-upd/dc/eu272x.html

Mac OS X 10.6はv2.7.2を制限付きで使用可能(確認済)

https://faq.canon.jp/app/answers/detail/a_id/52140/~/【デジタル一眼レフカメラ・ミラーレスカメラ】mac-os-x-v10.6(snow-leopard)対応状況

元気なボディもまだ数多く現存すると推定される状況下ですが、当該のEOS Utilityを問題なくインストールできるOSを搭載したパソコンは数を着実に減らしつつあります。とはいえいざとなればWindows XP or Vistaを搭載した中古パソコンを探してきてIEEE 1394のPCIカードを取り付ければ問題ないとは思います。

今回ちょうどMac OS X 10.6 (Snow Leopard)で走るFireWire(IEEE 1394のこと)を搭載した古いラップトップが発掘されたので、「非対応」ながら制限付きで接続が可能と表記されているEOS Utility 2.7.2を入れてみたところ、正常にEOS-1Ds Mark IIを認識してP.Fnを含む各種設定をすることができました。おそらく他の対応ボディも正常に認識できるものと思われます。

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