2009年9月22日火曜日

シグマ 70-300mm F4-5.6 DG OSのインプレッション&実写1

ひとまず第一印象、ファーストインプレッションを綴ります。


1D系にはとっても不釣り合い。

まず気になる画質について。

1,色収差
思ったよりいいです。第一群に投入されたSLDを考えれば予想通り。比較できないので分かりませんが、色収差は少なめ。おそらく手ぶれ補正のないAPO70-300mmに近いと思われます。




これが画像中央部の等倍切り出しです。色収差が多く出やすい望遠端の近接撮影なのですが、高コントラスト部分に紫のフリンジは出ません。もっとも従来レンズは49cmまで寄れたのに対して、こちらは150cmなので「土俵」は違いますが素性は良さそうです。

(追記)実は中心部の色収差が少なく、画面周辺部の色収差は多いことが判明。

2,解像力

解像については十分と言えるでしょう。望遠端、中央は開放で下のような画質です(いろいろあって今回は全体のオリジナル画像は掲載できません。悪しからず)。もやもやした日なのでコントラストは低めですが、しっかり解像していることは分かります。


これはF8.0


これだけ解像しています。二枚ともコントラストやシャープネスは標準値のままで、等倍切り出しとしています。また本体はフルサイズCMOSの5Dmark2を使用しています。

3,周辺光量
開放では落ちます。ほぼどの焦点距離領域でも、F8.0まで絞れば気になりません。例として135mm領域を調べてみます。この焦点距離において開放絞り(レンズの口径)はF5.0相当になるのですが、都合上F5.6とF8.0で比較します。


135mm/F5.6


135mm/F8.0

歪曲検査も兼ねた撮影ですが、2枚で周辺光量に大きな差が出ていることが分かります。

4,歪曲収差

広角側(70mm端)では少ないのですが、望遠端(300mm端)では思ったより多く出ています(望遠端は言うまでもなく負の糸巻き型)。厳密にやっているわけではありませんが、参考にはなると思います。

・70mm


多少の樽型である。あまり目立たない。

・100mm


ほぼ無歪曲に見えるが僅かに糸巻きか。

・135mm


糸巻き型の歪曲が目立つ。

・200mm


さきほどの135mmと大差なし。

・300mm


望遠端の300mmでこの程度であれば「まずまず」か。

(注意)今回は同一倍率になるよう、焦点距離を変えるごとに撮影場所を移動しました。つまり焦点距離によって撮影距離が変化しています(撮影倍率が同一)。歪曲収差は焦点距離だけでなく、撮影距離によっても変化する場合があります。このためここに掲載されているとおりの歪曲になるとは限りません。例えば撮影距離=無限遠の撮影では、焦点距離100mmであっても樽型になる可能性があると言うことです。

以上が画質についての印象です。次は外見や操作性について。

5,コーティング


以前は紫やオレンジという明るい色のコーティングが多かったのですが、暗い赤や薄い緑という色が多い印象です。逆光の耐性は後日改めて調べます。

6,ズームリングとピントリング

・ズームリング
方向は純正レンズと逆です。重さは「適切」から「少し重い」という印象です。

・ピントリング
方向は純正レンズと同じです。重さは「軽い」ですが、最悪でもないでしょう。なおピント位置がずれるとフィルター枠が回転します。偏光フィルター常 用者はお気を付け下さい。またフィルター枠が回転することから、逆付けしたフードを回転させることでピントが合わせられます。しかし構造上避けるべきかも しれません。

7,AF
これも予想よりは速く、小気味よい印象です。通常は困らないでしょう。F1の撮影は厳しいと思いますが、激遅ではないように感じました。旧型のEOS D60なんかでもテンポ良くピントが合います。

8,手ぶれ補正
あまり効きません。少なくともフレーミングの際には有効ですが、低シャッター速度でブレを防げるかというと謎な部分がかなりあります。ただ被写体ブレが生じている可能性があること、そして何となく「慣れ」が必要にも思うので暫く継続的に調査してみます。

9,デザイン・質感
以前のレンズは形状が妙でした。具体的には先端がかなり細くなっていたのです。今回も「非常によい」とは言えませんが、それでも以前よりはまともになった印象です。ただしこれに伴いフィルター径が58mmから62mmにサイズアップしています。塗装は「いつも通り」です。

なおフードの脱着には注意を要します。かならずフォーカスモードをマニュアルにしなければなりません。これはフォーカスに伴って前玉が回転するためです。機構に負荷をかけないためにもMFモードにしてからフードの脱着を行いましょう。

以上、簡単な報告でした。最後に実写の画像を。


望遠端の開放で撮影距離はほぼ1.5mです。解像力は十分。この大きさでは分からないのだが、アウトフォーカスの一部にボケの汚さ(色収差が原因と思われる)が出ているのは残念。一段絞れば解消されるのだろうか。


庭のみかん。合焦位置は切れる像を、そしてアウトフォーカスは綺麗なボケである。このような撮影には是非使っていきたい。

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