2009年9月1日火曜日

EOS 7D発表

キヤノンから7Dが発表になりました。が…



APS-C相当の撮像素子を持つカメラとして、従来はEOS Kiss X3やEOS 50Dなどがありました。これらの上位機種としてEOS 7Dが登場したようです。

機能満載の7Dですが、これではEOS-1D系統の存在を脅かす可能性があります。一言で言えば下克上。

今まで防塵防滴はEOS-1D系列の特権でした。大きく重く高価な1D系列ですが、プロ機ならではということで認められてきました。そして一部のハイアマ(ハイアマチュア)はプロ機の1Dを買っていたのです。

ところがEOS-1D系列にも不満は少なからずあります。大きく重く高価であることはもちろん、EF-sシリーズが使えない点。1.3倍という微妙な倍率が使いづらいこともありました。

ここで7Dは従来のAPS-C相当機と同様のサイズ、当然1Dよりは軽量で価格は20万円前後。EF-sが使えるためにレンズの選択肢が広がります。そして防塵防滴に加えて豊富なカスタムファンクション機能。

これではEOS-1D系列のもつ利点は何になるのでしょうか?信頼性や耐久性は超一級品です。スクリーンが自在に交換でき、そして品質の高いスクリーンを使用することが可能です(ちなみに7Dはスクリーン交換不能)。連写も秒10コマを達成しています(7Dは毎秒8コマ)。

しかし7Dの持つ利点はこれらを凌ぐものがあります。高画素(むやみに高画素は良くないが、公式サンプル程度の画質なら許せる)であり高感度(標準ではISO換算100から6400)。さらに動画が撮影可能(パラメータはかなり弄れるようになった)です。EFレンズ群だけでなく充実したEF-sシリーズからもレンズが選べ、また同様にサードパーティのAPS-C向けレンズも使えます。防塵防滴は1Dシリーズにほぼ準拠。シャッターも15万回をクリアしています(メーカー公称値)。100%の視野率を誇るファインダーは倍率が完全等倍に。電子水準器やクロスセンサーのAFを搭載しています。

このように高機能な7Dですから、アマチュアの多くは7Dで十分となってしまうでしょう。無論1Dでなければならない状況は存在しますが、私には 7Dで十分すぎます(買わないけど)。率直に申して7Dは下克上を果たしています。これまで「下克上のニコン」と「出し惜しみのキヤノン」と称されてきました。ところが先の5Dmark2についてはCMOSが1Dsmark3と同等となり、連写もやや強化されたので「出し惜しみ」とは言えなくなったのです。ただ防塵防滴などの部分は劣っていたので下克上とまでは言えない状況でした。しかし、7Dは間違いなく「下克上」と呼べる機種です。

このため1Dmark3の立場が微妙と言えば微妙なのですが、ともかく今回の7Dによってキヤノンのラインアップが明確になりました。

1,プロ機
(A)フルサイズの1Ds(現行はmark3)
(B)機動力の1D(現行はmark3)

2,ハイアマ
(A)フルサイズの5D(現行はmark2)
(B)機動力の7D

3,一般
(A)中級程度以上向けの二桁(現行は50D)
(B)デジイチ入門者向けのKiss(現行はX3)

従来は一般向けの機種で不十分だといきなりプロ機へ移行するほかに選択肢は無かったのです。顕著だったのは20Dの前、ちょうど10Dだった頃です。それが今ではハイアマ向けとして2つも選択肢があるのです。もちろん一般向けも侮れない実力があります。必要(価格)に応じて選べる、5年前から比べればいい時代になりました(景気は悪いけど)。

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