2015年9月11日金曜日

ZEISSから出たMilvusの6本の光学系

ZEISSから新シリーズMilvusが出ましたが、50/1.4と85/1.4だけが新規光学系で、残りは外装の変更のみです。目的は販売のテコ入れか、コストダウンかよくわかりませんが、個人的にはデザインが嫌いです。

今のところは旧来の製品もClassicシリーズとして併売するつもりのようですが、いつ終了させるのか気になります。ZEISSの発表では「今後数年間にわたってさらにレンズが追加される」ということなので、順次ClassicからMilvusに移行していくのではないかと思います。



【追記】
Classicは順次Milvusに置き換えていくことが確実と思われます。ここの一覧から、上記の4本が消えてます
http://www.zeiss.co.jp/camera-lenses/ja_jp/camera_lenses/slr-lenses/distagont2815.html
【追記ここまで】

・新規設計分
Distagon 1.4/50
Planar 1.4/85

両者とも古典的な対称形からは逸脱し、50 mm F1.4はOtusと同じくDistagon化しました。旧来のPlanar 1,4/50, Planar 1,4/85はデジタルカメラのことはまったく考慮せず、性能としても30年前のままと言っても過言ではない古典的なもの(だがそれがよい!)だったのでこの設計変更は必須だったと言えるでしょう。
とはいえCarl Zeissのレンズを買う=最新オールドレンズを楽しむ、という目的もあったことも事実です。値段も手頃でした。
併売をこれからも続けるのであれば「より多くの選択肢を!」ということでいいと思います。

・外装変更分(おそらく)
Distagon 2,8/21
Distagon 2/35
Makro Planar 2/50
Makro Planar 2/100

これらはMTF曲線を見る限り完全に同じレンズです。
http://www.zeiss.com/camera-lenses/en_de/service/download_center/milvus_lenses.html
http://www.zeiss.com/camera-lenses/en_de/service/download_center/slr_lenses.html

この4本を見るとどうしてもCarl ZeissからZEISSへの移行ということが考えられます。

最近の新レンズはOtus(これはZEISSブランド)ばかりで、昨年は珍しくDistagon 1,4/35(ZM)がCarl Zeissのブランドとして発表→発売されしたが、これはLoxiaに転用することを前提としたものかなとかいろいろ考えてしまいます。

【追記】
確定ではありませんが、光学系の配置の微修正が加えられる可能性がありそうです。
たとえばDistagon 2,8/21は周辺でわずかな緑カブリが生じますし、Distagon 2/35も軽微な像面湾曲を生じています。後者に関してはおそらくデジタルカメラでの利用を全く考慮せずに設計されているので、光学フィルターの厚みが描写の低下を招いている可能性が十分に考えられます。光学系単体でのMTFは同じでも、もしかしたら周辺部分の描写が改善するかもしれません。
あるいはコーティングの改善を行い、鏡筒内部の構造を変更することでゴーストを減らす可能性も十分に考えられます。Distagon 2,8/21は赤いゴーストが出ますし、Apo Sonnar 2/135では価格.comで指摘している通り同心円状のゴーストが発生するので、これを抑制するために内部構造を変更して徹底的な対策をするつもりかもしれません(そうだといいな)。

ところで新製品はコシナ製造なのか、あやしいですがたぶんコシナ製造でZEISSジャパンが流通させるように変更だと思います(これまでは日本国内正規品はコシナが販売していました)。 これまでコシナのラインナップはデザインが似通ったCarl ZeissとVoigtländerで悩ましいところだったのですが、現代的なZEISSと古典的なVoigtländerというように明確に分かれていれば選ぶ方は迷わないで済みそうです。
【追記ここまで】

【追追記】
Milvusもコシナ製造です。国内向けの小売り希望価格は若干の値上げ
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20150911_720623.html

2.8/21は194,000から208,000
2/35は97,000から124,000
2/50は119,500から151,000
2/100は185,500から214,500
ということは7.2%から28%の値上げということでもあります。特にお値打ち感のあったDistagon 2/35の値上げは28%も値上がりしてしまいました。続いて光学系を刷新したレンズは直接比較できないのであくまで参考まで
1.4/50は67,000から148,500
1.4/85は119,500から205,000
ということでそれぞれ2.2倍、1.7倍の値段になってしまいました。どちらも比較的買いやすい値段だったので、ちょっと残念?
【追追記ここまで】

ZEISSはZEISSブランドのレンズだけでなく、既存のCarl Zeissのロードマップも示してください。もしClassicをなくす方針なら早めに買うので。

~以下勝手な予想~

Dsitagon 2,8/15は光学系ほぼそのままに思う。
Distagon 3,5/18は光学系を変更しそう、もしかしたら開放F値も変わるかもしれない。
Distagon 2,8/25は廃盤にする。もし出たら周辺対策するはず(もし新Makro Planar 2/50の周辺が前と違ったら間違いなく対策してくる)
Distagon 2/25はほぼそのまま、周辺部の対策をして出してくる可能性あり
Distagon 2/28はそのままの可能性が高そう
Distagon 1,4/35は廃盤にしてOtusで出す
Apo Sonnar 2/135はそのまま(内部構造の改善でゴーストを低減する可能性あり)

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