2015年1月6日火曜日

AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VRが発表になったのでプレスリリースを抜粋して紹介

普通に抜粋したのでは面白くない(というか他にそれが得意なサイトがある)ので、ここは個人的な意見を盛り込んでいきます。

【追記】アメリカでの価格は$1,999.95とのこと(参照元:デジカメwatchの当該記事)【追記ここまで】
【追記】位相フレネルレンズ(PFレンズ)を採用した製品がさらに発表されました。小さいデジカメ用のコンバータレンズ(Itmediaの記事)です。【追記ここまで】


噂に出ていたFLレンズ(蛍石という光学結晶)ではなく、なんとPFレンズが搭載されました。キヤノンは回折現象を利用したDOレンズですが、ニコンはフレネルレンズを出してきました。これによって大きく小型軽量化され、特に全長が現行モデルより大幅短縮になったのはびっくり。質量が755 gはとても軽いです。はっきり言って驚き。Carl ZeissのApo-Sonnar 2/135よりも軽いのでとても軽快に運搬できそうです。

プレスリリースはこちら
http://www.nikon.com/news/2015/0106_lens_02.htm

プレスリリースからの抜粋で注目すべきは、軽量化(755 g)と全長の短縮で、これは現行のAi AF-S Nikkor 300mm f/4D IF-EDに比べて75 mmも短縮して147.5 mmです。
外径については1 mmほど小さくしたよってドヤ顔で書いてあるものの、300 mmでF4.0を確保するためにフィルター径77 mmは変更出来ないので仕方ないことです。

改めてスペックを見て大きさと重さは焦点距離200 mmのF2.8程度ではないかと思ったので比較してみました。

AF Nikkor 180mm f/2.8D IF-EDは直径78.4 mmで全長が144 mm、質量は760 gです。

http://imaging.nikon.com/lineup/lens/singlefocal/Telephoto/af_180mmf_28d_if/index.htm

一方の本レンズは直径が89 mmで全長が147.5 mm、質量は755 gなので、全長は180 mmよりほんの少し長く、質量に至っては180/2.8より(5 gとは言え)軽量です。
http://imaging.nikon.com/lineup/lens/singlefocal/Telephoto/af-s_300mmf_4e_pf_ed_vr/index.htm

この点もキヤノンのDOレンズと同じような効果のようです。キヤノンが400 mm F4のDOを初めて出したとき、300 mmくらいの大きさで重さはむしろ軽かった。これと似たようなことが今回のレンズでも当てはまりそうです。

個人的にすごく気になっているのが絞り開放での周辺光量の多さ。これは現在ペンタックスの67 M* 300という反則的なレンズを使っているから、ということもあるのですがやっぱり絞り開放でも周辺光量は多い方が良い。現行の300 mm F4.0は意外と落ちるので、改善していたら嬉しいところ。
デジカメwatchでの実写レビュー(「ボケ味チェック」の項)
KenRockwell.comでのテスト
絞り開放で周辺光量が多ければ点光源ボケにおいてラグビーボールも避けられます。

このレンズはPFレンズを採用していますが、キヤノンのDOレンズが苦しんでいるように、このレンズも強い点光源のボケは苦手なようで、Capture NX-Dを併用してこのクセを低減するそうです。

・キヤノンのDOレンズに関するページ
http://web.canon.jp/v-square/movie.html?id=t005

http://web.canon.jp/Camera-muse/tech/report/2014/12/

・Capture NX-Dとの併用に関する記述を含むページ(製品サイト)
http://imaging.nikon.com/lineup/lens/singlefocal/Telephoto/af-s_300mmf_4e_pf_ed_vr/index.htm 

ニコンのサンヨンこと300 mm F4.0は新技術をテストする場になっているようにも思います。現行型も超音波モーターを搭載し始めた初期のグループでした。今回はフレネルレンズを幅広く採用する前段階として、量産時の様々な問題を収集するために「試験機種」として市場に投入されたとも考えられます。DOレンズと同じ「回折」を利用したフレネルレンズどのような評判になるのでしょうか。そして気になるのは値段。いくらくらいで出てくるのか楽しみです。

現行機種で使う分には問題ないものの、残念なのは絞り環がないことと、絞り連動レバーすら存在しないEタイプになったことです。絞り環があれば、古いボ ディーでも問題ないしアダプタを使ってキヤノンのEOSボディに装着することも容易でした。しかし絞り環がないいわゆるGタイプだと旧機種での絞り制御は 不可能、それでも絞り制御のできるアダプタならEOS機で使えます。たとえば現状では135フルサイズにおいて最強のF2.8超広角ズームである 14-24はGタイプなのでキヤノンで使ってる人も意外と居ます。キヤノンは超広角がずっと弱く、最新の16-35 mm F4Lは良好ですがそれでもF4.0と暗い!星を撮る人は今でもニコンの出目金14-24を使うようです。

ともかくGタイプならこういうアクロバティックな使い方もできるのですがEタイプだと手が出ない。ちょうどミラーレスにEFレンズを取り付けようとしたときに直面する問題と同じです。信号を変換するという変態的独 創的な方法を採らない限りは実用になりません。このレンズをアダプタ経由で使う価値があるのでしょうか。EFの300 mm F4L ISは画質がイマイチと言われ(ニコンの現行300 mm F4にも負けてるという話・中にはIS無しのほうが画質がいいという意見も)、手ぶれ補正も2段なので新型が望まれているようです。しかし100-400のII型の評判が良く、このズームでいいのではと いう意見もあり、果たして改良されるのかは未知という状況。

もしこの300 mmがテレコンバーターを付けても良好な性能だったらキヤノンから移ってくる人が出るのか。しかしニコンには、キヤノンで言うところのEOS 7D mark IIに相当するような連写に強いAPS-C機がないので、動向には興味があります。

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