ニコンのD750とは対照的に(少なくとも今のところ、日本国内では)好意を持って受け入れられてるように見えるEOS 7D mark II
http://cweb.canon.jp/eos/lineup/7dmk2/index.html
連写は10 コマ/秒で、RAWでも31枚まで、JPEGでは1000枚まで撮れる(いずれもキヤノン側でUDMA7対応カードによる試験による・シャッター速度など条件が含まれる)し、画素数も2020万画素で数字を見るととても良さそうに見える。AFもかなり良さそう。
http://cweb.canon.jp/eos/lineup/7dmk2/spec.html
一つの疑問は2020万画素が有効なのか、本当に2020万画素を生かし切れてるか、もしかしたら2020万画素要らなかったんじゃないかということ。
mRAWや縮小したJPEGの品質が未確認なので、もしこれらがすごく良い画像ならばそれでいいのですが、たとえば最大でも1200万画素にして、そのわかりすごくキレの良い画像を提供するという選択肢はなかったのかと思います(ちょうど1Ds mark 3が1DXに統合されたように)。
今の段階ではJPEGしか見てないのでRAWについては不明ですが、少なくともこのJPEGは低感度でもシャープネスのかけ方が雑!アンシャープマスクをかけたことのある人なら「半径がデカすぎる」と言えば分かるでしょう。
これまで実際に私が使ったことある機種、たとえば1510万画素の50Dもこれに当てはまります。決して50Dがダメというわけではなくて、「良いレンズ(たとえばZeissでも評判が高いMakro Planar 2/100)」を使い、RAW撮影してDPPでアンシャープマスクの半径を0にすると線が細くなり、量を上げればしっかりと(?)バキバキにキレる画像になります。バキバキシャープならいいとは言いませんが、それはシャープネスの量を減らせば良いこと。いずれ条件次第でRAWなら1510万画素をしっかり生かした絵が出せる場合もあるが、JPEGはどうやってもしょぼい。
どんなにしょぼいかというと、デジカメwatchの「【新製品レビュー】キヤノン「EOS 50D」」におけるサンプルのJPEGをダウンロード→GIMPで50%に縮小して、続いて200%に拡大した(補完はいずれもキュービックを選択した)ところ、全体の画像から受けた印象は「あまり変わらない」でした。
もちろん細かいある部分は像のきめ細かさが失われるのですが、大ざっぱに90%の部分では差が感じられない。差が出る部分はたとえば斜めの線なんかジャギーが出るのですが、それでも比べると違いが分かる程度で、1510万画素なんてまったく意味ない(これだと実質は800万画素にも満たない?)といった有様。これが7D mark IIのメーカーのサンプル画像の#03(バンクーバー)でも似たような現象が見られました。
RAWならもっとよい結果が得られるかもしれませんが、JPEGの味付けがなぜこのようになっているのか不思議です。
(以下が考察)
一つ考えられるのは、性能がイマイチなレンズでも見た目が良くなるように大胆なシャープネスをかけてる可能性。上で書いたように実質の画素数が少ないと仮定すれば、レンズに要求される精細さも低い水準で済みます。
EOS 5D mark IIですら、ここまでレンズの粗が目立つわけです。リンク先の画像をAPS-C相当でトリミングしてみてください。トリミング3510 x 2340で、オフセット x=1053, y=702とすれば「たった800万画素」の画像が見られます。
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/parts/image_for_link/157217-9666-58-2.html
これですら右下は酷い状態で、さらに画素ピッチが約1.57倍(2020/820の平方根)になったら酷さが拡大する一方。ただしこのレンズはフイルム時代からの70-200 mm F2.8L (手ぶれ補正無し)なので、昨今のデジタルカメラ向けレンズとは品質基準が違うかもしれません。しかしそれでも「レンズの性能を誤魔化しやすくするため」シャープネスの半径が大きくしてるということは十分に考えられると思います。
もう一つ考えられる別の可能性は、サンプリング定理です。
デジタルである以上は避けられないこの問題。つまりモノクロ500万画素相当で出すにはモノクロ2000万画素が必要という理論的な背景があります(ベイヤー方式のフルカラーでどうなるかは話が複雑になりそうなので省略)。ともかくサンプリング定理によれば、最終的に再現したい周波数の2倍の周波数でサンプリングする必要があるので、2次元平面だと4倍の画素数が必要というオハナシ。ローパスレスが流行る昨今ですが、デジタルでローパスレスというのは、理論上とてもおかしな話(ただし実際は問題にならない場合がほとんど・レンズがローパスフィルタの役割を果たすのでカメラ側ではローパスフィルタを用意しないという考え方)なのです。
そうすると、あくまで理論に基づいて理想レンズを相手にする(とはいえ回折限界による制約が残る)前提ならば、画素数を上げてサンプリング周波数(空間周波数)を上げたい(→画素数を上げたい)という魂胆があるかもしれません。
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