2013年10月3日木曜日

ZeissはDistagon55mm F1.4を年内にも(発表だけでなく)発売するつもりらしい

ついったーで流れてきたZeissの投稿から。

http://blogs.zeiss.com/photo/en/?p=4260
“At the end of 2013, the Distagon T* 1.4/55, the first member of the new high-end SLR family of lenses will come on the market.”

もちろん遅れることはあり得るのだけれど、あと2ヶ月半くらいしかないこの時期に「市場に送り出すつもりですよ」というのは驚いた。日本での発売はたぶんずっと遅くなるんだと思うけれど、欧州では年内にお店に並ぶのか?

さてリンク先のページに載っている光学系を見たのだけれど、これがとんでもない。紫が異常部分分散比ガラス(または低分散ガラスとも。いずれ色収差を抑え込むための特効薬)で緑が非球面ガラスなので、おおよそ「標準レンズ」とは思えない設計になっている。もっとも「標準」なのは画角と口径(の数値)だけで、たたき出す像は恐ろしいことになりそう。値段はいくらになるのだろうか。

35mmF1.4の時にも感じたことなのだけれど、光学系が「中望遠プラナー+ワイドコンバーター」に見える。マウント側のレンズ群がプラナーで、それにワイドコンバーター(前方の凹凸凹あたり)をくっつけて画角を稼いでいる印象である。

「プラナー」側で出る収差をフロントコンバーターでうまく相殺しているのだろうと思うけれど詳しくは分からない。なぜならプラナー設計では開放で「甘い」(正確には高周波数の伝達関数が極端に落ちる)はずで、一度甘くなってしまった物はどうやっても締め上げることができない(一度減衰したら増幅は不可能である)と考えるからだ。
おそらくは「マスターレンズ」は高周波数まできちっと伝達できるが、単体ではロクな像にならないのだろうと思う(像面湾曲がひどいとか)。それでその残存収差をフロントコンバーターによって打ち消すのではないかと、まあいろいろ考えると面白い。

あるいは全体で開放の時点で既にプラナーのセクションは絞られた状態なのかもしれない。たとえばF1.4の開放でも既に一段分絞り込まれたF2の状態になってるとか。もしかしたらフワッと出る球面収差は、光線の入射角に依存するからテレセントリック性を上げて高周波まで伝達できるようにしているとか。それかギュッと詰めた光学系になっているから今までの10lpmmが30lpmm相当になって、高周波までにじまない像に「見える」のか。

なんでもいいのだけれど、絞り開放からキレキレという話なので実写画像が楽しみなのです。

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